お溜が池

天川裕司

お溜が池

タイトル:お溜が池


私の家の近所にお溜(ため)が池って池がある。

そこには都市伝説があり、

どんなのでも良いから小石を拾って水面に投げたら、

その数秒後に奇妙な事が起きると言う。


その奇妙な事にはピンからキリまであって、

その人がその場から居なくなったり、

幻聴・幻覚が聞こえたり見えたり、

あるいは投げたその人が、

又その人の関連人物が亡くなったりすると言う。


私は昔からこう言う都市伝説や

オカルトに興味がある傍ら、全く信じておらず、

どちらかと言うとそれを暴くのが好きだった。


(お溜が池)


そして深夜。

私は同じくそう言うのが好きな友達を1人連れ、

そのお溜が池へ行ってみた。


佳奈子「ねぇ、ほんとにやるの?」

「ふふん♪当たり前じゃん。ここまで来たんだから」

佳奈子はその日、なんとなく乗り気じゃなかった。

いつもならこんな時ちょっとハッスルしてるのに。


「あ、ちょうどイイ小石あった」

そして私はその石を水面に投げてみた。


投げる石は3つ。

それから数秒後に不思議な事が起こるらしい。

ぽちゃん、ぽちゃん、ぽちゃん…

続けざまに石3つを投げ、しばらく待つ。


佳奈子「…別になんも起きないね」

「…ふふん♪だからやっぱり都市伝説なのよ♪」

「誰かがこう言うの吹聴してさ、膨らませて怖がるように見せかけてるだけ♪」


パッと振り返ったら佳奈子が居ない。

「ん?…佳奈子ぉ?」

として居ると、びゅうっと少し風が吹き、

私は何となく向こう岸を見た。


するとそこに、

「え?…佳奈子?」

誰かが向こうからこっちを見てる。

でも佳奈子なわけない。

さっきまでここに居たんだし、

一瞬にして向こうに回れるはずないし。


私はちょっと怖くなり、

「佳奈子ぉ!ちょっとどこ行ったのよ??」

本気で佳奈子を探し始めた。


向こう岸に立つ女はパッパッと居場所を変えた。

向こう岸に立ってたのが右の岸になり、左の岸になり、

それからずっと姿を消した。

として居ると、新たな恐怖が私を襲う。


「え、何これ…。きゃあ!」

池の浅瀬のところに何かがあり

それをよく見てみると、人の骨…?

それが暗がりながら

何となく分かった私は後ろへたじろいだ。


それからその場に居るのが

良くないと思った私は本気でその場から逃げつつ、

佳奈子をずっと探し回っていた。


(佳奈子目線)


佳奈子「メグミ!どこ行ったのよぉ!ねぇメグミィ!」


しばらくして思った。

今はまた佳奈子の所へ無事帰れるように願うしかない。

最悪の事態になってない事を、願うしかない。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=39Y2w0opIdE

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お溜が池 天川裕司 @tenkawayuji

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