ずっとずっと愛してる
光紗
プロローグ
今日はクリスマスだ。僕は1人で過ごしている。手には自分が書いた小説を持っている。題名は「僕の彼女は…」という。この本の主人公である僕の彼女雪白椿は実際に存在している人なのだ。だが、彼女はもうこの世にはいない。彼女は、原因不明の病で2年前にこの世を去った。彼女が患っていた病の名前は「華妄病」といい、症状は身体中に花の模様のようなものが出てくる。最終的には臓器にも花の模様のようなものが出てきて、心臓などの臓器の機能を低下させていき死に至る。この病は発見されたばかりで、治療法も分からなかった。「華妄病」という名前が付いたのは症状に花模様が出てくることから付いた。この病は彼女しかいなかったが、どんな病でも症状は一人一人違ってくる。彼女の場合は全身に花模様が出るが、症状が酷い時だけ全身に模様が現れていた。症状か酷くない時は、時々手や首元、足に出ることが多かった。更に彼女は模様が出てくる度に皮膚が焼けるように痛くなると言っていた。それはとてもしんどいはずなのに、彼女はいつも笑顔で明るく活き活きしていた。彼女は症状がそんなに酷い訳ではなかったので、長期間の入院がなく普通に学校行ったり、友達と放課後や休日に遊びに行ったりとても元気な女の子だった。そして彼女には椿という名前がとても相応しい人だった。そんな彼女の幼馴染だった僕は、彼女と真反対で内気な性格だった。だけど、彼女のおかげでだいぶんその性格が治ったと思う。僕には彼女に人を変えられるようなそんな力があるように思えた。そんな彼女との最後の約束がこの本だ。僕はこの本を出版するのに2年前にかかってしまった。約束を果たすのに2年もかかったけど、彼女は喜んでくれているだろうかと思う。でも、何故だろうか彼女はきっと喜んでいるとそう思えてしまう。今思えば、僕は彼女に出会えて一緒に過ごせて幸せだったと思う。僕は
「椿、ありがとう」と、夜空に言った。
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