鏡の中の猫

猫ラブ

第1話

三毛猫達が暮らす国


リコ王は三毛猫達と平和に暮らしていた


「このまま平和が続けば良いが」


マタタビ畑で立ち尽くしながらリコ王は空を見つめていた


その時、青い空が暗い空に変わり始めた


「嫌な空だな」


そこへ三毛猫が走りながら現れた


「リコ様、大変です」


「どうした」


「闇の魔法使い達が三毛猫達を襲ってます」


「何だと」


「リコ様、行きましょう」


三毛猫とリコが動き出そうとしたその時、闇の魔法使い、キャリーが現れ魔法の杖で三毛猫の命を奪った


リコはキャリーを見つめ口を開いた


「なぜ、三毛猫の命を奪った」


「俺とお前の話しに邪魔だから命を奪った、悪いか?」


「悪いに決まってるだろ」


リコは剣を構えながらキャリーに向かって行った


キャリーは魔法の杖を構え向かって行き戦いが始まった


リコとキャリーの戦いは長く続いた


1ヶ月後、キャリーの攻撃を受けリコは、剣を離し倒れた


キャリーは魔法の杖をリコに向け口を開いた


「白、茶、黒の宝石を渡せば命だけは助けてやる」


「お前に渡すくらいなら命を失ったほうが良い」


リコはゆっくり立ち上がり険しい顔でキャリーを見つめた


「そうか…命を奪うより良いこと思いついた」


微笑むとキャリーは魔法の杖でリコを鏡の中に閉じ込めた


その後、キャリーは宝石を手に入れるためリコが住む城に向かった


マタタビ畑に鏡に閉じ込められたリコ


その時、白、茶、黒の宝石が現れ鏡の中に閉じ込められたリコをその場から消した


宝石は白の髪に茶の瞳に黒の服姿の妖精に変身し三毛猫達を安全な場所に移動させ自分も姿を消した


闇の魔法使い達とキャリーは突然の出来事に驚いた


「キャリー、三毛猫達が消えた」


「宝石が安全な場所に移動させたんだろ…ここに宝石はない…探しに行くぞ」


キャリーと闇の魔法使い達は三毛猫の国から姿を消した


鏡の中に閉じ込められたリコは森林の中に姿を現した


鏡の中のリコ正面を見つめ口を開いた


「ここはマタタビ畑じゃない…どこだ…」


リコは叫んだ


「誰か…俺の声が聞こえた人…助けてくれ…助けてくれ」


何度も鏡の中のリコは叫んだ


中学校の職員室の席でテストの採点をしていた三姫(みつき)は声を聞いた


「声?」


再びテストの採点を始めた三姫は声を聞いた


「誰か…助けてくれ」


「助けてくれ?」


採点を止め三姫は席を立ち職員室を出た


そのまま廊下を歩き三姫は男子トイレの前で立ち止まった


「助けてくれ」


「声が聞こえる」


三姫は男子トイレの中に入り鏡を見つめ驚いた


「嘘だろ…鏡の中に三毛猫…」


「俺の声が聞こえるのか」


トイレの鏡越しでリコと三姫は見つめ合った


三姫が口を開いた


「何で鏡の中に居るんですか?」


「俺は…鏡の中に…」


言いながら鏡からリコの姿が消えた


「消えた」


三姫は鏡を見つめながら手で鏡に触れた


その時、三姫は鏡の中に入った


その後、三姫は森林の中に姿を現し横向きで倒れた

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