第2編 喪失7

141


空に向かって深呼吸。起こったことは変えられない、せめて受け入れる心の広さを用意したい。



142


空を見上げ、映るもの。ものすごい音が響き、何もかもが悲鳴を上げて、割れたガラスが舞い踊る。



143


騒ぐ声、みんなも私も変わらない。目の前でガラスの雨に打たれる人を黒い瞳で眺めてる。



144


電話もメールも通じない。SNSは途切れてる。たどり着いた駅舎の中で、入り混じる不安と焦りと憤り地中海風サラダかな。



145


繋がらない板を手にして途方に暮れる。目も口も耳のあるのにおかしいね。



146


今日のことを心配する人、明日のことを考える人。頭を使っているようでみんな風に吹かれるまま。



147


お腹が鳴り響くとき、ふと懐を探ってみるとガムが二粒入ってて。腹の足しにはならないけれど舌は歓喜の舞を舞う。



148


人の流れが地下へと進み、Nと書かれた看板が大きな口を開いてる。きっと私はSだろう。



149


誰かが空へと指をさす。黒い何かが広がって慌てる人々我先に。私はひとり外へと駆け出して。



150


コンクリートの苦悶の声が私の背後で響き渡る。呆然と、座り込んだまま何も心から湧き出ない。



#詩 #短歌 #twnovel #天に瞬く光となって

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