吸血姫に誘われて
だしまき
前編 月と薔薇の似合う人
「だだ今お迎えに向かいました、
「いいよ、正直もうちょっと遅くても良かったなぁーじゃあまたね、名も知らぬレディー」
行ってしまった、薔薇の匂いがふっと消える、さっきまで喋っていたけど、一体どこの誰何だろうか、確か『血忌火紅華』様って呼ばれてたっけ、血忌火?あの悪魔だったり吸血鬼だったりと国内のさまざまな伝承に出てくるあの血忌火家⁉︎まじかすごいないるんだ、血忌火って人、お嬢様っぽいから本当に伝承の吸血鬼だったりな、そんなわけないか。
ふとに見上げた月には何もわからない彼女のように、雲がかかっていたが、だがなぜか見入ってしまう魅力があった。
私は主に日本国内の伝説だったり、超常現象だったりを研究している大学生
この国内の伝承で度々登場する『血忌火』家とは何なのか、この謎を解明出来たならば、ミステリアスで見入ってしまう魅力のある彼女の事が分かるかも知らない。
と思い伝承に出てくる場所に行ってみる事にした、幸い近所なのでお金の心配はない、金欠の大学生にとっても『血忌火』の事について調べている身にとっても助かる。
ここは血忌火家が神として崇められている神社である。伝承的に恐らく平安時代やそれ以前くらいから祀られているのだろう、つまりその時点で血忌火家は不思議な力を持っていた事になる、その神社の神主曰く火を操ったり、夜空を飛び回ったりしていたそうだ、また当時にしては珍しくと言うか天皇以外あり得ないような外国の物を大量に所持していたのだとか。
その日の帰り道、ふと薔薇の匂いがしたので、そちらを見ると、いつかの血忌火紅華さんがいた
「あらまたあったわね」
「そうね、血忌火紅華さんであってるかしら、あなたに会えて嬉しいわ」
「あら嬉しいことを言ってくれるじゃない、血忌火紅華で合ってるわよ、そういえば貴女のなまえは?」
「桜井叶、しがない大学生よ」
「あらそうなの?いきなりごめんなさいね、私は用事があるのでここで、また会える事を楽しみにしているわ」
また行ってしまった、薔薇の匂いが消える。夜空に浮かぶ月のようにつかみどころのない人だ。
その日は新月だったのか月は見えなかった。
あ、これは夢だ、今は紅葉舞い散る時期なのに、大きな桜の樹の下に立っている。
桜の樹の上には紅い月が上っているて薔薇と血の混ざった匂いが漂っている。そこには
「あらこんなところで会うなんて運命かしら?いやこれもまた必然か」
血に濡れた刀を両手にもった血忌火紅華さんが数々の死体の上に立っていたいた。
「なにをしていたの?」
「簡単なこと、私は私の命を守っているだけ、どお?私の事少しは分かった?」
「いいえ全くわからないわね、良ければ貴女のこともっと教えてくれない?」
「つまんなくても許してね」
彼女は一つの物語りを紡いだ
それは彼女の今までの物語り
それはとても悲しい物語りで彼女のこれまでの苦悩を物語っていた
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