第18話 対抗戦 前編

 試合が始まった

 広い闘技場でいくつかの試合が行われる 

 各領地の代表は3名である

 闘技場にユリウスが現れた

 その途端闘技場に黄色い声援がわきあがった


「相変わらずすごい人気だな」とショーン様が笑いながらおっしゃった


 また別の方向からも黄色い声援が沸き上がった

 その方向を見るとすごく背の高い茶色い髪に金色の瞳のとても体格のいい騎士がいた


「ショーン様 あの方は?」


「あいつがフレン・サマーズだ ミッシェルの息子」


「あの方がミッシェル様のご子息様でいらっしゃいますか

 そういわれますとよく似ていらっしゃいますね

 体格が違ってらっしゃっていますけど」


「あいつは幼い頃から騎士になるのが夢でな イワンの愛弟子だ

 ユリウスと同じ歳で二人ともイワンのところに幼い頃から剣を学びに行ってたな」


「ユリウス様はお父様以外にもイワン様の指導を受けられていたのですね」


「え・・・・? セシル・・・ユリウスの父親の話を聞いたのか」


「はい、ユリウス様から騎士団長だったお父様のお話しをお聞きしました」


「ああ、そうだな・・リクシーの方だな 

 そうだなあいつも元を辿ればイワンの弟子だった

 リクシーは先の戦いに出て帰ってこなかった 

 それからはユリウスの祖父があいつの世話をしていたんだが・・・な

 まあ、その頃はイワンが剣術を私が学問をあいつに教えていたんだ

 他の者ではあいつの爺さんを止められなかったのでな」



 リクシーの方? おじい様を止められなかったからイワン様とショーン様がお世話していらした? 

 ショーン様がいろいろ話してくださったけれど・・・・

 ユリウス様からはお聞きしていないお話しばかりだわ

 うーん・・・・ 聞いていないかったことにしよう

 話を変えないと・・・


「セシル開会式が始まるぞ」

 国王陛下 王妃が姿を現し挨拶をしたあおとイワン様が開会宣言をし試合が開始された

 ユリウスはほとんどの試合をすべて相手に剣を振らせずに勝ち進んでいった


「私 初めてユリウス様の実戦を拝見いたしましたがすごいです」


「ハハハ、実戦ではないよ 実戦ではもっとすごいぞ」


 ショーン様とそんな話をしていたらイワン様とミッシェル様がいらした


「イワン様こちらにいらしてもよろしいんですか?」


「セシルの護衛をしないといけないしな それにあっちはどうも

 居心地が悪い」


 イワン様はそういうと私の隣のドカッと座った


「セシルの横には私が座るつもりだったのに」

 とぶつぶつ言いながらミッシェル様はイワン様の隣に座った


「ミッシェル様、先程フレン様あちらの試合会場にいらしゃいましたよ」


「おお、セシルうちの息子どうだ なかなかいい男だろう」


「ええ、素敵な方ですね」


「そうか、嫁にくるか」


「申し訳ございません 私にはユリウス様がいらっしゃいますので」


「そうか・・・我が家はいつでも歓迎だからな」


「ミッシェル・・お前・・・あきらめも肝心だぞ」


「そうは言うがな 親としては息子の初恋 

 しかもセシルのようにいい子なら叶えてあげたいじゃないか」


 え~!!初恋って人間違いでしょ・・・

 またまた・・・・本人のいないところで聞いてはいけないことが聞こえた気がする

 もう聞こえなかったことにしよう

 それにしても・・・いくら貴賓席だといえど先程からおじ様からお聞きする内容が結構ハードな気がする・・・

 気を許してくださっているのだろうけど・・・

 今度ルーカスにお願いして私でも使える防音シールドの魔道具を作ってもらおう

 できるだけ早急に・・・


 そうこうしているうちにカトレアが3回戦で敗退してこちらに帰ってきた


「セシル様 サマーズ様に一瞬で負けました」


「カトレアお疲れ様」


「ありがとうございます 今から護衛に戻ります」


「カトレア休憩してからでもよかったのに」


「私もセシル様とユリウス様の試合見たかったですし ほら準決勝はじまりますよ


 ユリウス様は、リクリーン公爵家騎士団長 スティーブ・ジャンソン様と試合ですよ」

 リクリーン公爵家騎士団長どういうわけかニコニコして闘技場に入ってきた


「スティーブめ よっぽどあの賭け試合がなくなりも騎士団総括部として出場できたのが嬉しかったようで朝からずっとあの調子だ・・・・」

 イワン様が笑いながら教えてくれた


 きっといろんなことから解放されて純粋に剣を交えることを楽しんでいるんだ


「さあ、ユリウス様こういう方は強敵ですよ 私も頑張って応援しなくっちゃ」

 ユリウスとスティーブが試合場に足を踏み入れた

 準決勝がはじまる



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