第97話 魔弾の射手 エピローグ

 ヨハンがいる崖に立っている邸へと急いだ。邸に着くと確かに強固な俺の魔力の結界が貼られていた


 結界を解除し、中に入るとヨハンがミルフィーを庇うように抱きしめ倒れていた


「ミルフィー 君まで!」そう言ってユリアスが抱きしめた


「ヨハン!ヨハン!しっかりしろ!」そう言ってヨハンを揺さぶる


「リル・・・・会いたかった」

 そういうとまたヨハンが意識を失った途端



 ゴゴゴゴゴ・・・・・



 邸が大きく揺れた、いや落ちている!

 崖が崩れているんだ

 俺とブルーは外に出て大きな風を起こし邸全体を浮かびあげる


 安全な場所に邸を下ろした途端、空に浮かんでいる状態の俺の近くに人の気配がする


「残念だな、でもさすがリル・ジーザメリウス」


「イーリス!!なぜ? ここにいるんだ」


「あんな低級魔術師に連行されるなんてみくびられたもんだよ 

 早々にパトリシアと僕は退散させてもらったよ 

 お母様はうるさいからしばらく魔塔で面倒見てもらおうと思う」


「お前!」


「ああ、こんなところで僕たちがぶつかり合うとあの邸のものにまで君の「魔弾」の被害に遭うかもよ「魔弾の射手」さん、「ブラックジョーカー」だったっけ 

 どっちでもいいけど切り札じゃなくて道化師にならないようにね 

 きっと僕には「魔弾の射手」は通用しないから撃ち合いになるよ」


「・・・・・くそっ!」


「じゃあ、また会おう!僕の注意したこと忘れないようにね

「愛し子」ちゃんだったかな?

 彼女可愛いから気をつけなよ」

 そう言ってイーリスが闇の渦の中に消えた

 夕陽に光る海の上で、結局イーリスに何一つ出来ずボーゼンとしてしまった自分を情けなく思うばかりだった

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