第93話 母上の参戦
リリーが、少し休んでリリーから話しが聞けたのは昼過ぎだった
アメジストのような髪色のお姫様ミルフィーに、いたぶられ続けられる毎日だったそうだ 細かなことでもミスだと言われ鞭で叩かれていたようだ
極め付けが、お茶を出す時緊張のあまり手が震えドレスの裾にお茶をこぼしてしまった
すると熱湯を右腕にかけられたそうだ
「その髪色の娘はミルフィー王女ではない
婚約者の私がいうのだから間違いない
第一、ミルフィーは可憐で慎ましやかで・・・・・・・」
「ユリアス!わかりましたから
今の話を聞くとミルフィー様ではなく、
「パトリシア・ジャクシー」に間違いない
その離宮にはパトリシアしかいなかったか? 」
「はい、でも時々王子様がいらしてましたがミルフィー様は「皇帝」と呼んでいました」
「だから、ミルフィーではない!」
ユリアスが怒鳴ると、リリーがビクンとした
「ユリアス! リリーが怖がっている
ずっとその名前で呼ばさせられていたんだ
仕方ないだろう」
「・・・・・・すまん・・・・・」
「ユリアスの気持ちもよくわかる
俺もすまなかった」
「リリー、申し訳なかった
それでこの地図を見てくれ
離宮はどのあたりにあるかわかるか」
「はい、ここです
でもここは隠された離宮で、本宮の通路からしか入れないようになっています」
「どこからも入れないということか」
ユリアスが考え込む
「空は見えたか? 」
「空?ですか? 空は見えますよ」
「ではいけるな」
「?????」
ユリアスが、何言ってんだこいつ?みたいな顔をする
「リリー、ステンリーご夫妻 ありがとう
すまなかったな また改めて礼に参る」
「こちらこそありがとうございました
お礼を申し上げるのは私達の方です」
「では、このことは他言無用で頼む
もちろんジョンにもな
腕は薬で直してもらったと言ってくれ
あの男いい奴だがどうも口が軽そうだ」
その軽い口のおかげで今回助かったのだが・・・・・・
宿屋に帰りティコに連絡を入れる
「明日決行するので、折を見て合流してくれ」
「かしこまりました
私も一つ気になる情報を見つけたのでまた後ほど」
そういって通信をきりすぐさま、父上に連絡を入れた
「私達が空から離宮に踏み込んで行ったとしてもすぐに本宮から騒ぎを聞きつけ人が攻め入ってくると思うのです
なんとか本宮の皇妃を足止めできないでしょうか
「そのことなら、いずれにしても魔塔が明日家宅捜索を行うことになりグリーがまた向かうことになったが何分にも今回は魔塔だけでは手に負えないという頃でポールステンシャルからも騎士団を送ることとなった
なにしろ王配殿下の身がかかっているからな」
「ヨハン・・・・・・」
「お前が連れて帰るんだろ」
「はい」父上と話していると父上の後ろから母上が出てきた
「リル!今回は私も参ります!!」
「クリスティ!何を言ってるんだ!」
「母上がですか!?
危険ですからおやめください」
「ふっ、何を言ってるのリル
私は結婚するまで魔塔にいたのよ
これでも6クラスの魔法使いなんだから、特に闇魔法なら任せなさい!
それに、デボラとも決着つけないと行けないしね」
「リル・・・・・・・、
こいつがこう言い出したら止められない・・・・・
まあ確かに腕は確かだ
しかし何かあったら守ってやってくれ」
「まあ!あなたったら!大丈夫
衰えていませんわ」
まさかの母上の参戦と今まで知らなかった母上の過去、デボラって?皇妃?母上知り合いなのか?
よく考えてみると親世代も同じくらいの年齢だ、アカデミーで一緒だったのかもしれない
父上達の学生時代ってどんな風だったのだろう
結局俺も北斗の時もこの世界でもちゃんとした学園生活は半年くらいだったな
もし、何もなく父と母がいてリアイアルとしてアカデミーに通っていたらどんな学園生活だったんだろう
明日、離宮に飛び込むというのに、そんな考えても仕方ないことをふと考えてしまった。
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