第91話 悪女の姫君

 カリオス王国には、身分を変えて密かに潜入した


 ティコは第2王子として直接真正面から入り俺とシファーとユリアスは変化し、城に近づくことにしたのだ


「髪色、髪の長さや瞳の色を変えるだけで別人のようだな」とユリアスは興味深そうだ」


「今日は入国する前に近くで野宿し、明日の朝一番に入りましょう

 あと言葉遣いに気をつけてください

 私達は学生なのですから」


「そうだ、俺らは学生だからな」

 どこかぎこちないがまあ大丈夫だろう


 1刻ほど仮眠するとすぐ夜明けになり朝一番に入国した

 宿屋に入りチェックインをする


「お客様たち、ポールステンシャルの人なんだね」


「そうなんです

 僕たち学生で 今 研修旅行で色々な国を回りながら勉強してるんですよ」


「まあそうかい

 カリオスは小さな国で何もないから勉強にならないかもしれないけど、ゆっくりしていっておくれ 

 朝食は食べるかい」


「よろしいんですか

 用意していただけるならぜひお願いします」


「じゃあ、用意ができたら呼ぶからそれまで部屋で休んどいて」


 おかみさんはそう言いながら3つの部屋の鍵を渡した

 部屋は1人部屋ベッドと小さな机がある狭い部屋だ


 俺の部屋に防音の結界魔法をかけ3人で集まりこれからの作戦を話し合った

 夜になると俺とシファーが忍び込みます

 ユリアスあなたはここで待機しておいてください

 部屋には念の為結界をかけます 

 何かあった場合、応援の部隊が必要になった場合ホクトは、帝国のアッサム侯爵のところへ ブルーはユリアスあなたのところにまずきます 

 ブルーに乗ってジーゼメリアスの父上のところに向かって説明してください」


「乗ってというがこんなに小さな犬に乗っていけるのかい? 」


「ああ、今部屋が狭いので1番小さなサイズでいてもらってるんですよ」


「それに、俺は犬ではなくフェンリルだ!!」

 ブルーがぷんぷん怒っている 

 あとで肉でもあげよう 

 ホクトにもね


「学生さーん、お食事の用意できましたよ」

 とおかみさんの声が聞こえた


 結界を解除して返事をする

 朝食を食べようと食堂に降りる

 この宿屋もよくある一階が食堂をしている宿屋のようだ

 俺たちの他にも平民と男たちが食事をしにきていた


 こういうところは情報の溜まり場だ

 ガセネタもよくある話だが火の無いところに煙が立たないというところもあるから思わず聞き耳を立てる


 話の中心は「皇妃様」の悪口が多く、その次が「お姫様」の話が多い


 しかし、気になった話が聞こえてきた 

 ある日侍女が「お姫様」のお茶を出す際にこぼしてしまいドレスに少しかかってしまい「お姫様」は激怒し熱湯を侍女の腕にかけ大火傷を負わせた上に解雇しその侍女は家に帰されたが部屋からでだれなくなってしまったという話だ

「お姫様」ってミルフィーがそんなことする訳ないしもしかすると・・・・・・


「すみません 話が聞こえたんですけどお姫様って?」


「さあ、詳しくわかんねえけど、お姫様ってんだからミルキーだか何とかいう姫さんじゃないの、ひでえ話だよな」


「ミルフィーは・・・・・・」


「先輩・・・・・・今は我慢してください」

 小声で立ちあがろうとするユリアスを制止した


「実は、僕医者の卵でして、よかったらそのお嬢さんの火傷見せてもらえませんか

 場合によっては治療できるかもしれません」


「ああ、かみさんの知り合いの家のお嬢さんだから治してくれるったら喜ぶよ 

 いいのかい?兄ちゃん」


「もちろんです」


 食事が終わったあと、男性の知り合いの家というところに連れていってもらった

 ユリアスはミルフィーが悪女にされている噂を聞いてあれからずっと怒っている

 ミルフィーのためにもユリアスのためにもそして何か手がかりがあるような話が聞ければいいのだがそう思いながら先を急いだ

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