第66話 古代遺跡の扉
「おい!リルまた髪がバサバサになっているぞ」と今日もティムに注意される
「ああ、自然現象だから問題ない、ほっといたら治る」
「自然現象って、勝手にたくさん三つ編みとかできるのか」
「ああ、自然現象だ!だから大丈夫!」
「なら、いいけどリルもそろそろ家に帰れよ」
と不思議そうな顔をしてティムが立ち去った。
「ああ、ありがとうまた明日な」
あの図書館の夜から1ヶ月
毎日、緑の妖精「コーン」こと「レプラコーン」は俺に嫌がらせをしにやってくる
「なんだ、コーンお前は家にまでついてくるのか」
家に帰って食事の用意をしているのに俺の頭の周りをブンブン飛んでいる
「早く、愛し子様のところに帰れよ!」
まさか、ハイネが緑の精霊の愛し子だったとは!
しかも本人はコーンといることをずっと普通のことだと思っていたらしい
相変わらず完全な無自覚だ
「だって、ハイネってば
今日はララが部屋に遊びに来るって言うからさ」
「お前、ハイネに相手してもらえないからここに来てるのか?
それならブルーたちに相手してもらえ」
とコーンをむんずと掴みブルーとホクト目掛けて投げる
「うわん、やめてくれよ
ブルーに咥えられたら涎だらけになる」
ハハハとブルーたちと笑う
「ところで、今日の晩御飯ってもしかしてシチュー? 」
「なんだお前飯が、目当てか」
「だってリルのシチューうまいんだもん」
「しょうがねえな、食っていけ」
みんなでシチューを食べる
食べながら古代遺跡の資料に目を通す
「建物なんかの設計図は見つかったんだけどな
肝心の入口がわからないな」
「うん?何?学園の地下につながっている古代遺跡か」
「なんだ!コーンお前知っているのか?」
「知っているけど扉はオリハルコンの短剣がないと現れないぞ」
「!! おい!これのことか」とオリハルコンの短剣をみせた
「ああ、これこれ
なんだ〜持ってるのに見つけてなかったのか、ハハハハハ」
むう、むかつく!けど我慢我慢
「なあ、明日扉の場所まで連れていってくれないか
お礼にお前の好きなパウンドケーキ作ってやるよ」
「パウンドケーキ!リルの!
うん、わかった約束だぞ」
やった!よし明日古代遺跡に出発だ
学園長にしばらく休むと連絡して準備して……
ああ、その前にパウンドケーキ作らないとな……
その夜、コーンに感謝の気持ちを込めてパウンドケーキを2つ焼いた。
コーンはいそいそとパウンドケーキを持って帰った
「コーン明日!絶対だぞ」
「わかってるよ!絶対な」
何か返事が軽すぎて心配になる
寝る前にもう一度資料に目を通す
建物の設計図に違和感を感じた
所々行き止まりがある一見普通の設計図に見えるが実は建物全体が迷路だったり、隠し扉、隠し通路がありそうだ
これは、出発前から頭を抱えてしまった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます