第32話 剣術大会 中編


 決勝がはじまった

 1回戦の相手は、アレク2回戦は、ヨハン

 3回戦は、ユリアス先輩 全員と試合をし、その勝数で優勝を決めるが同数の場合は、決定戦を行う


 1回戦は、アレクか……例えどんな卑怯な手段でこようと負ける気がしない

 大ホール中央の競技場にこの日はじめて魔道具で灯りが灯された

 いつのまにか、雲ひとつない青い空が薄いオレンジ色が広がりつつある

 足元から響く歓声のなか入場する今日の大会は、生徒だけでなく家族、学園関係者で大ホールが人で埋まってる。足元から響く歓声を感じながら中央ステージまで長い通路を歩いていく

「北斗」時代のライブを思い出した

 中央ステージまで長い花道を歌いながら走り抜けていた、そんな事思い出している自分がおかしくなり クスっと思わず笑ってしまう

 そして、名前を呼ばれ礼をする


「試合開始」


 という号令が、かかり剣を構えようとした瞬間俺の目に光が突き刺す

 アレクの後方のスタンドからポインターの様な魔法道具で俺の顔面狙って光を放つ

 そう言う事か……エド先輩や他の選手の時もそうやって勝ち抜いてきたのか


「幼稚なやつだな」

 思わず声に出してしまった。

 悪いけど俺には通用しないんだよ

 散々ライトやらカメラのフラッシュ浴びて生きてきたんだよ!バーロー!一発でのしてやるよ


「バコン」

 と俺の剣は鈍い音を立てながらアレクの剣を飛ばした


「勝者!リル・ジーザメリウス君! 」


 審判がコールと共に俺の方に旗をあげた

 歓声につつまれながら礼をし、倒れているアレクを一瞥もせず、無言でステージからおり再度礼をした

 振り返ると客席で手を振るエド先輩を見つけ手を振る

 スッキリした気持ちで、2回戦を迎える対戦相手はヨハンだ


 控え室で、シャツを脱ぎ、汗を拭っていると大会役員がノックをし、入ってきた


「ジーザメリウス君、ズメイルカルプス君の回復に時間がかかりそうなので先にカリオス君との2回戦を始めてもらっていいかな」


「問題ないです 了承いたしました

 お知らせいただきありがとうございました」

 と立ち上がり礼を言う。


「いや、こちらこそ君からの返事を聞かず入ってきてしまいすまなかった」


 その時シャツを脱いでいたのに気がついた


「いえ、こちらこそこのような姿で申し訳ございません」

 と逆に照れてしまった

 ヨハンといつも手合わせしているが初めて真剣勝負することに少し緊張していたがこのやり取りのおかげで緊張がほぐれた

 シャツをもう一度パッと着て剣を一振りして気合いを入れ、試合会場に向かう


 2回戦 名前を呼ばれ礼をする

「試合開始!」


 毎日剣を交えている相手なので、お互いの良い所も悪い癖もよく知ってる


「ほら、リル そこで急ぐから脇が甘くなるんだよ」


「ヨハン、お前は1点しか見えて無いから視野が狭くなるんだよ。隙だらけだぜ」


 何度も、何度も剣が交わる音が響き渡る


 大きなステージで公式の場所でヨハンと剣を交えることにワクワクが止まらない


 刹那、ヨハンの隙を祓った時ヨハンの剣が宙を舞いカランと地上で音を鳴らした


「勝者! リル・ジーザメリウス君! 」


 審判のコールともに歓声があがった

 礼をし、ヨハンと握手し 肩を組んで歓声に応えると歓声がまた一段と大きくホールに響きわたった


 あ〜! やばい! めちゃくちゃ気持ちいい〜!

 と、控え室に戻る


 3回戦、いよいよ 対戦相手はユリアス先輩だ

 もう、鼓動が止まらない。

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