トントントン
『トントントン。』
ドアをノックする音が聞こえてきた。
「こんにちは。入ってもよろしいですか?」
看護師さんだ。どうしよう…もしかしたら病院から追い出されるんじゃないか…。でも、何か言わないと…。いろいろと考えた結果、この体のまま看護師さんに会うことにした。
「心海。どうする?」
「にゃにゃにゃん…(この姿のまま看護師さんに会うよ…)」
と私が母に言ったが、母は私の言っていることはわからないので母は、
「そうよね。看護師さんを部屋へ入れないように言ってくるわ。」
そして母は看護師さんのもとへ行き、
「ごめんなさい…。まだ目を覚さないので…目を冷ましたら言いますね。」
そう言って母はドアを閉めた。私はそういうつもりではなかったが、何を言っても無駄だと思い諦めた。
「これからどうしようね…。」
と、母は不安そうに私に言った。
「にゃんにゃにゃん…(本当にどうしよう…)」
するとガラガラとドアを開ける音が聞こえた。
猫と私 綺良々 @mo-215
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