猫と私

綺良々

はじまりのとき

 私の名前は神里心海(かみさとここみ)。高校一年生だ。友達もでき,部活にも入部して楽しく過ごしていた。いいスタートダッシュを切れたと思っていた。

 しかし,四月のある帰り道で悲劇が私を襲った。

 普通の道を歩いていた時に猫が車道を歩いていたのを私は見ていた。すると,遠くのほうから軽自動車が来ていたのが見えた。猫は気にせぬ顔で車道に寝転び,軽自動車の運転している人は猫に気づいていなかった。このまま目の前で猫が引かれるのを見るのはとても嫌だったし,猫が好きだったからというので体が勝手に動いていた。

 私は車道へ行き猫を抱え込んだ。すると,恐怖のあまりその場から動けなくなっていた。そして軽自動車にぶつかってしまった。

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