暴君君主に『迷宮深部へ行ってこい』と言われましたが、辿り着けないままアンデッドになりました〜意志の力だけで無双するアンデッドは、家に帰りたい〜
@ikkyu33
永劫の深淵
かつてこの地には、広大で果てのない迷宮が広がっていた。生きる者も、死者も、迷い込んだら二度と戻ることは叶わぬ、恐怖と絶望の象徴──「永劫の深淵」と呼ばれる場所だった。
ある日、国を治める暴君が高らかに命じた。「我が騎士団、全てを挙げて迷宮深部を探索し、秘宝を手に入れよ」と。これまで数多の者が挑み、ことごとく消息を絶ったその地へ向かうことは、死に等しい命令であると誰もが知っていた。しかし、逆らえば自らが暴君の刃にかかる運命。3000人の精鋭からなる騎士団は、血気と恐怖を胸に抱き、迷宮へとその足を進めた。
幾多の階層を越え、幾夜も命がけの戦いが繰り広げられた。道中、彼らを襲うのは地を揺るがす巨躯の魔獣、目を背けたくなる異形の魔物たち。その一匹一匹が、戦場で見慣れた強敵をはるかに上回る力を持っていた。
日が経つにつれ、騎士たちは次々と倒れ、その屍さえも異形の魔力に飲み込まれて消えゆく。やがて彼らは、人間としての意識を失い、命の尽きた者たちが新たなる「迷宮の番人」として蘇るのだった。かつて共に戦った仲間でさえ、今や敵として襲いかかってくる──彼らはもはや人ではなく、迷宮が生み出した無慈悲なるアンデッドである。
だが、暴君に命じられた任務を果たさぬまま、戻ることは許されない。
こうして、迷宮へと進んだ3000の騎士団は全て失われ、その消息は王国中に暗い影を落とした。そして今日もまた、新たな者が迷宮へと足を踏み入れるのだった……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます