第28話
これから忙しいということをわかっていながらも私は今、朝ごはんを食べている。
「どう?リリーナ、美味しい?」
「…うん。美味しい」
あまり食事をすることがない私だけれど、晃の料理はまた食べたいと思えるような気がした。
ふわふわのパンに卵が入った卵サンド。
果物がたくさん入ったフルーツサンド。野菜たっぷりのミネストローネ。チーズがたくさんのっているシーザーサラダ。温かいココア。
「それならよかった」
そう言ってふわりと笑う晃。
なぜだか私の顔からも笑みが溢れた気がした。
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