ガチャッ！！

思い切り玄関扉が開いた音がした。

「鍵持ってたの忘れてたわ」

なんて言葉を吐きながらズカズカと入ってきた。

「数時間ぶりね？晃」

「あ？なんか用？」

「そうよ？用があるからきたの」

「…どうでも良いけど、もう終わった関係なんだから早く出ていってくれる？」

「はぁ？‥まさかあんた、強がってんの？それなら傑作。ちょーウケるんだけどっははっ」

そう言う女を見ている私の眉間に皺が寄った。

「…なに？てかあんた、誰？」

「彼女ですけど」

「あ〜。都合よく晃の女にされた可哀想な子？」

「可哀想な子？」

「そうでしょ？私と別れた悲しみを誰かで埋めたかった晃は、丁度よくいたあんたを使っただけ」

なんでもかんでも、この女は妄想通りに全てが進んでいると思っているらしい。

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