メンヘラ症候群

櫻井

第1話 メンヘラ症候群

「えー彼氏から連絡こないー、これ絶対浮気だよね」

「ねぇ、電話してもいいかなー」

そんなことを言いながら由利は彼氏の浮気を疑っている、2年間付き合っている彼氏は三か月前までなら五分以内で連絡が返ってきていた、最近になって連絡の頻度が落ちたことに由利は不安を覚える、連絡はすぐに返してほしい、返せないなら返せない理由を伝えてほしい、連絡が返ってこないと私が何か変なことを送ったかなと病んでくるから。そんなことは彼氏はしらない。

彼氏が由利の事を知っているとすればメンヘラということくらいだろう、由利がなにをしてても興味をもってくれない、でも由利はそんな彼氏が好きだった。

由利と彼氏との出会いはガールズバーで彼氏はお客さんとしていて、違う女の子を指名していたが由利はヘルプに着いたときに、一目ぼれをした。この人を彼氏にしたい、私のものにしたいという感情になっていた、由利は今まで狙った男を逃したことがなかった、由利はビジュアルには恵まれていたし、あざとさもあり周りの男は由利の事を放っておくことはなかったので、どうしてもこの人を自分のものにしたかった、人の指名とかは由利には関係なく、この店を辞めて彼氏を狙う為にガルバの駅の最寄り駅でその人が来るのを2日待った、二日に一回その店に来る人だったので二日間駅で待っていれば会えると思った。直接プライベートを会えば必ず落とせると思っていたので直接会って、そのままホテルに行って抱かれた、その時は一夜限りの女だと思われていたが、猛アタックの末付き合うことになった、最初のうちは由利の事を大事にしてくれたし、由利の事ばかり考えてくれていたけど、今では彼には由利にたいして気持ちがないように感じる。

いつも由利は思う、私はあなたの事を一番愛しているのに貴方は私の事を本当に愛してくれてるの?と由利にはそう思えなかった。目に見える愛だけが愛だけじゃないと言われるが見える愛を欲しかった。誕生日には赤いフリージアを買ってきてくれるし、記念日にはバラを買ってきてくれたりしたけど、二年目を迎えた今ではもうなくなった、会う頻度も一か月に一回になった。私に非はなかったはずなのに。。と思いながら由利は待ち合わせ場所にいたが彼氏は一時間たった今も待ち合わせ場所には来ていない、連絡も来ることはなかった。由利は途方に暮れた、彼氏の自宅は知っているけど彼氏の自宅に行く勇気はなかった、最近浮気を疑っている。

他の女の影がチラホラと見え隠れする、私以外の女と一緒にいるなんて許せないと由利は思うが自分から問いただす事は出来なかった、自分に自信はあるが彼氏に対してぼ自信は1ミリもなかった、彼氏はもう私の事を好きでもないとすら思い始めている、雨が降ってきたので屋根のあるところに移動するが、彼氏は一向に来る気配はない、電話をしても「電波の繋がらないところにいるか」という機械音しか聞こえてこない、由利はその機械音を聞きたいわけではない、彼の声を聴きたかった。

雨も強くなり傘を持っていない由利は一度帰宅することにした、このまま待っていても彼氏が来ることはないだろうと思った、雨に濡れながら帰り道もう彼氏とっも終わりかと思ったが終わりたくないとすら思った。

誰かの歌で「雨は冷たいけど濡れていたいの、思い出も流すから」とあるが由利にはそう感じなかった、ただ彼氏との思いでは蘇ってくるだけだった。

いつもは電車にのるが、今日は雨に濡れて帰りたいと擦れ思った。

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