1日目
誰もこなくなった屋敷に突然とチャイムがなった。
「、、、誰ですか、、」
ドアを開けると、エプロンドレスをきた一人の女性が立っていた。
「今日から静香様の専属メイドとなりました。静香様のご両親からの命令でここにきました。」
彼女はそういうと数枚ほどの紙を渡してきた。その内容を見てみると、私の両親はもし何かあって亡くなってしまった時の為に専属メイドを私が大人になるまで雇うように契約をしていたらしい。
「、、、そうなんだ、、、まぁ、今日からよろしくね、、」
私は両親からの契約によって、今日から私にメイドがついた。
「静香様、何かして欲しいものはありますでしょうか、」
「、、、何も、しなくて大丈夫、、、」
「、、、そうですか、、わかりました、では、私は少し静香様の部屋から退室させていただきますね」
彼女はそういうと、私の部屋から出ていった。
彼女が出ていってから、私はベットの上で寝転がった。何もすることが起きなく、何をしたとしても楽しさが湧かない、そんな様な状況が今でも続いている。そういう時間を過ごすほど、"あの日"のことについて考えてしまう。なんで私を残して行ってしまったのか、私が遊園地に行こうなんて言わなければ、私だけが死んだ方が良かったとか、私が私を咎めてしまうようなことばっかり考えていた。“あの日"が起きてから、ただとても苦しく、気持ち悪く、死にたいと思うようになっていった。
コンコンコンッ
私がベットの上でそんなことを考えていると自室のドアを誰かがノックしていた。
「失礼致します、夜になりましたのでご飯を作ってお持ちにまいりました。」
彼女はドアを開けると、夕食を持って入ってきた。入ってきた彼女の手には、オムライスが乗っていた。
「、、、何もしなくていいって言ったのに、、でも、、ありがとう、、」
「私は、静香様のご両親からあなたを守るようにご使命を頂いた者なので、、」
私は彼女が作ってくれた、オムライスを一口食べた。味は、普通の味だったが、なぜか食べ覚えのあるような味だった。昔、母親が作ってくれた、オムライスと同じ味がした。
「どうでしょうか、お味は、」
私は、無言のまま、ひたすらにそのオムライスを食べ続けた。お母様と同じ味、久しぶりの温かいご飯、小さかった頃の記憶が相待ってか、私は食べている内に、涙が溢れ始めた。
「大丈夫ですよ、、私がいますから、、」
彼女はそれを見て、私に寄り添って、頭を撫でてくれた。
「.........、ありがとう、、、、、とっても美味しい、、」
「、、、ありがとうございます、」
私は、気が済むまで彼女の胸の中で泣いた。
彼女のおかげで、私の心の苦しみは、少しずつ、消えていくような感じがした。
メイドと鬱の子 Kz幸(カゼサチ) @Kz7sati
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