#1


 100万分の1の確率で発症する指定難病、色彩雪解病しきさいせっかいびょう。それは、学校の健康診断でも取り入れられている検査でわかるものだった。


 もうすぐやって来る、桜吹雪。


 2歳の時に父が他界し、母は水商売で生計を立てている。母に愛された記憶はなく、あまり良くない家庭環境で育ってきた私。

 普通の家庭なら、毎回のように温かい食事が用意されるだろうけれど、そんな事された記憶もない。小さい時は保育所や学校の給食をおかわりすることで1日の空腹をしのいでいた。

 だから私は小学生の頃から家事は1人で行い、近所の商店街でお手伝いをしては‘‘お小遣い‘‘として野菜や肉、米などの食料を分けてもらっていた。


 高校生という年齢になってからは複数のアルバイトを始め、私1人の食費と衣服費はやりくりしていた。学費がかからないように、必死に勉強して特待生という制度を使っている。現在、17歳。

 中卒では雇ってくれる会社が無かったから、仕方なしだ。


 学校でありがたいことに健康診断は行われ、その検査をしたのは1か月前。

 きっと、この検査が無かったら病気に気付くことだってなかった。


 検査結果に異常が見られた為大きな病院で精密検査をしてほしいと学校から直接親へと連絡が渡った。学校から「連れて行け」と打診をされたらしい。私の家庭環境を先生達は知っている。


 面倒そうな顔をしながら私を病院に連れて行く母。

 歩いている最中、公園で楽しそうに遊ぶ小さな子供と親御さんを見ると、違和感を感じるのは私の中だけの話。


 病院内で1日検査入院することが決まり、母は説明も聞かずにそそくさと帰って行った。医師と看護師は明らかに眉をひそめている。

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