第5話

僕は、正門を呼んだ。

「相手ピッチャーの

ストレート狙いで行こう。」

「了解です」正門が言った。

1アウト満塁で

6番、ピッチャー 正門

左打席に立った。

初球、ストレート内角高めを思いっきり振った。

打球は右中間を破った。

3塁ランナー、2塁ランナーはホームに帰って、

うった、正門は2塁ベースに到達した。

2点とって、

3対3の同点。

なおも、1アウト2,3塁のチャンス。

「おー、正門打ったぞ」萩島が言った

「うれしくないのか、無表情だぞ」富永が言った。

「ほんとだ」

「冷静すぎるだろ」

「球はあんなに荒れるのに」


7番、石橋 

「自由にやっていいぞ」僕は石橋に言った。

「了解です」石橋は言う。

毛利はスライダーとスプリットを織り交ぜて、

3ボール2ストライクとなった。

毛利が苦しそうな表情をしている。

6球目、少し外れたスライダーを見送った。

石橋はフォアボールだろうと思い、プロテクターを外すが

審判はストライクと宣告する。見逃し三振となった。

「まじか、今のは少しボール外れてただろ」深谷が言う。

「うん、そうだね」池永が言った。


8番富永。

「1球目、振っていけ、」僕は富永に声をかける。

「初球、振っていいんですか」

「相手は、疲れてる、下位打線だストライク取ってくる。

確率は高い。そこをねらい打て」

「了解です。」

2アウト、ランナー2,3塁。

富永は右打席に立った。

毛利は、初球、スライダーを投げてきた。

富永は、僕に言われた通り、初球を振っていった。

芯をとられて、強烈な打球がショートの横に行くが、

ショートが、横っ飛びで飛んで、キャッチをした。

これで、3アウトチェンジとなった。


「うわ、めちゃくちゃおしい。」深谷が言った。

「ああ、富永がいい当たりしたの久しぶりに見たよ」平井が言う。

「この回3点とれたのがでかいね」

「正門が何回までもつかな。序盤に変化球とらえられてるし」

「桜はまだ、使いたくないな。2回戦だし」

「てなると、調子のいい萩島かな」

「まあ、そうなるな」

「次の回勝負だな。」



2回表

8番 佐久間 キャッチャー 右打者

1球目、正門はインコースにストレートを投げる。

大きくボールがそれてバッターに当たりデッドボール。

ノーアウトランナー1塁となった。


「ノーアウトランナー1塁だよ。正門の制球力が悪いね」成海が言った。

「また、1回みたいに打たれなきゃいいけど。」伊藤が言った。


9番 秋山 センター 右打者

秋山が右バッターボックスに立つ。

1球目、シュートをアウトコースに投げた

逃げるようなボールに秋山はバットを振ったが

当たらず、ストライク。

それから、ストレートの制球が乱れて

2ボール1ストイラクで

4球目ストレートが真ん中高めに甘く入って、

芯でとらえられた。

打球は左中間に飛んでいった。

センターの天間が快速をとばして、ボールを追いかける。

1呼吸余裕をもって、頭上でボールを取った。

1アウト1塁となった。

「抜けていてもおかしくないのに、天間すごいね。」成海が言う。

「あらかじめ、レフトよりで守ってたんだろうな。

足も早いし、万能だね」伊藤が言った。

「やっぱ天間はセンターがいいね。」

1番 金城 セカンド

金城が左バッターボックスに立つ。

「1アウト1塁で、1番バッターか」

「前の打席はフォアボールだったから、スイングは見てないけど、」

「このバッター抑えれば、この回なんとかなりそうだけど。」

正門が1球目、ストレートを低めに投げる。

外れて、ボール。

2球目、3球目はシュートをインコースに投げて、ストライク。強気の姿勢。

1ボール2ストライクで

4球目、カーブを投げた。

打者は、前のインコースのシュートが聞いたのか、泳いで三振に倒れた。

「平井の配球ばっちりだね」

「正門もちゃんとなげれてるし。」

「さっきのシュートって結構きいてたよね。」

「だよね、あのシュートよかった。ストレートじゃなくて、

シュートを変わりに投げれば、カウントも安定するんじゃないかな」

2アウト1塁

2番、坂口 レフト

坂口が、右バッターボックスに立つ。

1球目、アウトコースにストレートをキャッチャーの平井が要求したが、

大きく外れて、ボール。

2球目3球目も逆球になってボール。

3ボール0ストライク。

「ほらほら、ストレートの制球が乱れてる。」

「まさかどの乱調か、ここは変化球だな。」

「相手も、ストレートは狙ってこないだろうな。」

「まあ、ストライクはいらないからね。」

「シュート投げれば、カウント整えられるんだよね。」

「平井はまだ、ストレートの調子試してるみたいだけど、。」


4球目、アウトコースにシュートを投げた。

うちに入ってくるシュートにバッターは手を出せず1ストライク。

3ボール1ストライクで、

5球目、シュートをアウトコースに投げる。

バッターはまたもや見送って3ボール2ストライク。

「平井の配球いいね。わかってる。」

「ここは、シュートだよな。最後、カーブじゃないの」

「いや、もう一回シュートでもいいかも、。」

6球目、インコースにシュートを投げた。

バッターは反応して振っていくが、差し込まれて、ピッチャーゴロとなった。

正門は、しっかりとって、ファーストに投げてアウトにした。

この回ランナー出すも無得点。

「この回無得点にしたぞ、ないす」深谷が正門に声をかける。

「次もがんばるよ」正門が言った。

「最後のシュートよかったぞ」


2回裏。9番 平井 キャッチャー

「9番の平井からだ。」天間が言った。

「9番から打線はつながるっていうから」山岸が言った。

「相手の弱点狙ってくるだろうな」

「相手の弱点って何。」

「スライダーの曲がりが少ないところ。」

「へぇ、良く見抜いたね、天間」

「今日はスライダーの調子が悪いんだろう。」

1球目、毛利がストレートを投げた。ストライク。

2,3球目ボールとなって、

3,4球目、スライダーがアウトコースに入った。

平井は、流し打ちをして、打球はライト前に落ちた。

「ほら、スライダー狙っていっただろ。」

「天間すごいね、スライダー狙いいけるかもね。」

「いや、相手も気づいてるはずだから、簡単には投げないよな。


ノーアウトランナー1塁

1番蓮村 ライト

左バッターボックスに入る。

1球目、高めのストレートを見逃して、ストライク。

「ここは走ってくるんじゃないの。平井盗塁できるから。」山岸が言った。

「監督、何やってくるかわからないんだよね、初戦みても定石通りやらなかった。」天間が言った。

「じゃあ、天間はどうすると思う。」

「盗塁かな、ピッチャーのクイック速くないから。」

2球目、ピッチャーが足を上げた瞬間、ランナーの平井が走った。ピッチャーは

インコースにスライダーを投げる。

バッターの蓮村は、引っ張って打った。打球は、1,2塁間に転がった。

セカンドは回りこんで、捕って。1塁に投げてアウト。

ヒットエンドランで、1アウトランナー2塁になった。

「うわ、ヒットエンドランやってきたよ」天間が言う。

「確かに、ヒットエンドランいいかも。監督やっぱすごい。」

「蓮村はゴロのヒットが多いから、ヒットエンドランでもゲッツーはないと思ったんだろうな。」

「次は2番の赤城。ここはさすがにバントじゃないか。」

「うん、バントだね。」


2番、赤城 セカンド

ピッチャーが牽制球を投げた。平井は戻ってセーフ。

1球目、ストレートをインコースに投げた。

赤城はバントをしてサード方向に転がす。

バントシフトを敷いていたので、余裕のファーストアウト。

バント成功で、2アウト3塁となった。

「ほらほら、ここはバントだったよ」天間が言う。

「次は、3番の深谷だよ」山岸が言う。

「ここは、ヒット1本打ってほしいけど。


深谷が打席に入る前に、僕は深谷を呼んだ。

「相手はスライダーは投げてこない。シュートを狙ってこい。」

「了解です、」

深谷は考えるより、思いっきり打ったほうがいいと思って、

打つ球種を決めた。


2アウトランナー3塁で

右バッターボックスに深谷が入る。

ストレートとカーブで2ボール1ストライクになった。

4球目、インコースのシュートをフルスイングした。

打球は、レフト線を抜けて、転がる。

バッターの深谷は、2塁ベースに到達して、

2ベースヒットとなった。

「深谷がヒット打ったな。」蓮村が言う。

「まあ、さすが深谷ってところだな」赤城が言う。

「次は、池永か。」

「ヒット打ってくれたらいいけど。」

1球目、スプリットを空振り。

2球目、3球目ストレートで空振り三振。

「また、。三振だよ。池永。」蓮村が言う。

「ここぞのところで打ってくれるのがたのしみだな。」


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