第※※話 俺の楽園を乱すあいつ
【side
くそっ。あいつ一体なんなんだっ。
突然現われたと思ったら俺達の輪の中に割って入りやがって。
あいつ、上級生の中でも札付きの
噂じゃ学園には滅多に来ないし、町を歩き回っては女を引っかけてホテルに連れ込んでいる。
学園内でもアイツにいかがわしい事をされて転校を余儀なくされた女性生徒がいるとか。
そんな噂が絶えないクズ野郎だ。知り合いの上級生に聞いた話だと、たまに学園に来ても午前中には帰ってしまうらしい。
噂がどこまで本当なのか分からないが、金髪に染めてピアスは開け放題。シャツに隠れている部分には夥しいタトゥーが入ってるって話だ。
既に学園をやめた後にヤクザに就職が決まっていて、転校しちまった女子生徒は風俗に売られた後だって噂もある。
そんな奴と
俺が彼女達を危険から守ってやらなくちゃ。
どうやら
「
「ねえラクト。いくらなんでもそれは失礼すぎない? 霧島先輩、だっけ? 確かにちょっと見た目は怖いけど」
「あの見た目が全てを物語ってるだろっ!」
「らっ君ッ。
「
「
「
「え、私? そんなこと言われてもよく知らない人だし。だけど、
「そうですよらっ君」
「騙されてるんだよ。とにかくアイツにはもう近づかない方が良い。
「やめてくださいらっ君。今のらっ君には全然賛同できません。
「なんだよそれは。
「少なくとも、今のらっ君の味方はできません」
「なんだよそれはっ」
「とにかくちょっと頭を冷やしてください。らっ君が反省するまで、
「あっ、おい
そういって
なんだよクソ。俺達の輪の中に入ってきたのはあいつの方じゃないか。
悪いのは霧島なのに。どうして俺が全部悪いみたいな風に言われなくちゃいけないんだ。
「ねえラクト。私もあれはよくないと思う」
「
「そうじゃないって今朝も言ったじゃない。どうしちゃったのよラクト。霧島先輩が現われてからなんか変だよ?」
「とにかく
「もうっ。またそれ。……分かったわよ。
俺はその問いかけには返事しなかった。
なんで俺が謝らないといけないんだ。悪いのはアイツだ。
噂なんてなんの根拠もなく立つわけないし、俺達の輪の中に入り込んできたあいつが悪いんだから。
俺が謝る理由なんてまったくないじゃないか。
くそっ。俺は皆の為を思って言ってるのに。誰も俺を理解しようとしない。
今までこんなこと一度もなかった。やっぱり間違ってるのはあいつで、俺は絶対に正しいはずだ。
なんとかしてアイツを排除しないと。俺の学園生活が脅かされる。
覚えてろよ……。
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