第23話◇彩葉のアシスト◇
さて、見苦しい自己陶酔と自己弁護の一人語りはこのくらいにして、早速攻略キャラとの接触を計るとするか。
今日は
認識改変や常識改変は今の所女の子本人に対してしか使えない。
もし
種付けし終わっている
それこそどこかのエロ同人みたいに、常識改変を学校全体にかけるとかできたら楽なんだがな。
催眠にしても常識改変にしても、効果範囲が非常に狭いのが難点だ。
これもそのうちパワーアップしてもらいたいもんだぜ。
頼むぜー妖精さーん。
……
ちっ。ダメか。ワンチャンアナウンスがあるかと期待したんだがな。
もしかすると、まだレベルが足りないとか条件が揃ってないのかもしれないな。
経験的に段階を踏んでスキルが増えている感じがするし、今持っているスキルを駆使して攻略する女の子を増やしたり、経験を重ねたりすれば新しいスキルが解放されているように感じる。
まずはその仮説に従って色々と経験を重ねるしかないな。
(おっ、
昼休み。
「なあ
「さあ。一緒に食べよっか」
「だな。久しぶりに話してみたいし」
「うん、じゃあ声かけてくるね」
「ああ。B定食でいいか?」
「ありがとう。じゃあ注文お願いね」
俺は
「よう。俺もいいか?」
「あ、霧島君。どうぞどうぞ」
「亮君、
「喧嘩?
「そうなんです……」
一人だった理由は幼馴染みと喧嘩が原因らしい。
どっちにしても一人のところを捕まえることに成功したが、こう人が多い所ではな。
だが考えようによっては丁度良い。
幼馴染みと引き離す手間が省けた。
「訳を聞いてもいいか? ひょっとして朝の俺が原因だったり?」
「あ、いえいえ。霧島君は悪くないです。あれはどっちかっていうとらっ君の方が悪いです……」
まあ聞いた感じ、元の霧島の評判と相違ないレベルのことを口にしたらしいので的は射ている。
だが
「なるほど。まあ彼の言うことは一定数間違っていない。今までろくでもないことをしてきたのは紛れもない事実だからな」
「それでもっ、あんな言い方しなくたって」
「まあ許してやれよ。宮坂のことをそれだけ心配してるって証拠じゃないか」
「そうでしょうか……
よほど物事を多角的に捉える思考の持ち主でなければ、その人の印象を決める材料は好感度だ。
客観的にモノを考えろ、と人は簡単に言うが、文字通りそれは簡単ではない。
誰しもが主観で生きているし、ましてや
態度の善し悪しは確かに子供じみているが、つい先日までの俺の普段の行動を知っている人間からすれば、彼の警戒は至極当然の反応と言える。
「俺と交友を持つかどうかは宮坂自身が決めればいいと思うが、大事な幼馴染みとの関係性が悪くなるのは、なんか悪い気がしてな」
「霧島君、本当に変わったんですね。前とはまるで別人みたいです」
「いつまでも子供じゃいられないからな」
繰り返すようだが中身が入れ替わっているので文字通り別人だ。
別に幼馴染みを嫌いになる必要はない。恋慕の情の対象が変わればいいのだ。
だが一旦俺に完全に傾いてもらう為には、幼馴染みと仲違いしてもらうのが手っ取り早い。
その後で関係性を修復するかどうかは
このまま主人公が子供じみた
「
「気分転換ですか?」
「今日さ、亮君の家でご飯作るんだけど、良かったら一緒にどう?」
「え、
「でも今日はダメだろ?」
「あ、そうか。じゃあ明日はどう?」
「今日は何かあるんですか?」
「実はネェ。亮君の家いま半分ゴミ屋敷状態でね。私がお掃除手伝うことになってるの」
「あ、それなら
「気にしなくて良いが……。まあ手伝ってくれるなら有り難いな」
予想外だったが、
その時、俺の隣に座る
(ん? なんだ?)
すると、彼女は視線を
しかし手の指先が俺の太ももを何度も往復しており、何かを伝えていることが分かった。
そして伝わってくる感情は「褒めて」だった。
(まさか
俺が
そうだとしたら手駒として思った以上に優秀だったことになるな。
そして、それは事実であったことが発覚するのは、この数時間後なのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます