第2話
1月某日。
臨床実習先である名古屋南桜総合病院のリハビリテーション科の朝礼。
約50人のリハビリスタッフの前での挨拶から、あたしの臨床実習はスタートした。
「同じく、岐阜濃飛医療大学3年作業療法学科の戸塚絵里奈です。えっと~、先生方の技術をひとつでも多く盗めるように頑張ります!宜しくお願いしま~す。」
ちょっと緊張感が足りなさそうな同級生の絵里奈と一緒に。
月曜の朝のせいなのか
それとも学生のあたし達はよっぽど浮いているのか
リハビリスタッフの先生方の視線が痛い。
「じゃ、朝礼終わります。今日も1日宜しくお願いします。」
刺さりまくった多くの視線から解放され、息をつこうとした瞬間だった。
「学生さん、初めまして。臨床実習指導責任者の松浦です。今から実習のオリエンテーション始めるから作業療法室へきて下さい。」
分厚いファイルを抱えた20代後半ぐらいの優しそうな男の先生があたし達に近寄ってきた。
この先生なら優しく教えてくれそう
さあ、3週間の実習、頑張る!
「はい!!!」
『・・・はい。』
隣にいる嬉しそうな絵里奈に先を越されけれど、返事をした。
面食いな絵里奈は絶対、松浦先生にオチた
面食い度低めのあたしからみても松浦先生はイケメン認定できる
「そういえば、あいつ、遅いな。ちょっと呼んでくるから、オリエンテーションの資料、読んでおいてください。」
そんな松浦先生は立ち上がりながら、丁寧にファイリングされた資料をあたし達に手渡し、作業療法室から出て行ってしまった。
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