1−2 外伝 サチアレ(改稿済)
『外伝 サチアレ』
私は今,とある場所に来ている。
『海女兪家』
ここは私の住んでいる街の南側の住宅街にある。
外装は特段真新しいわけでもないが古いわけでもない。
そんな感じの家だった。
ピンポーン。
インターフォンを押す。
「はいはい。」
そう言って出てきたのはいかにも気怠そうな顔をした40代くらいの男性。
スーツの上に黒色のコートを羽織っている。
一見すると普通の男性に見えるが違う。
彼の後ろにはたくさんの目。
「これからよろしくお願いします。」
彼は父の紹介してくれた,
「師匠。」
S級の
◇
妖人とは簡単に言えば政府公認の野外探索者だ。
普通の探索者たちはその大いなる力に溺れることがないよう,ダンジョン外でのスキルの使用は法律によって禁止されている。
だが魔物や魔獣,そして妖怪などは街にも出現する。
それを対処するために作られた組織が『トランシブ』だ。
そこに属する職員は探索者とは別のダンジョン外専門の妖人となる。
そう。
このことから分かるように,彼はほとんどの場所でスキルの使用が許可されている人物なのだ。
なぜ私がそんな彼の元を訪れたのか。
その理由はただ一つ。
『強くなるため』である。
私はまだ弱い。
それを父に相談したところ,彼を紹介してくれたわけだ。
まぁ昔からの知り合いでもあるんだけどね…。
「まぁなんだ。とりあえずゆっくりしといてくれ。今コーヒーを持ってくる。」
そう言って師匠は台所に向かった。
「そういえば幸。探索者の方はどうだ?うまくやれてるのか?」
はぁ。
心の中でため息をつく。
どうやらお父さんは私の試験が延長になったことを仁さんに言ってないらしい。
「色々とあって試験は延長になったんですよ。また来月にあります。」
仁さんは少し驚いた様子だったが深く言及はしてこなかった。
コーヒーの入ったコップを二つほど机に置く。
「さて,どこから話そうか。」
そう言って仁さんはまだ湯気の立つコーヒーを一口啜った。
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