12 社畜の鏡 彼は裏で暗躍する者がいることを知りません(改稿済)

『前回の振り返り』


ウラくん…ほんとに君これが初配信なのかい!?以上!

それでは本編へどうぞ。


────


『社畜の鏡 彼は裏で暗躍する者がいることを知りません』


 白いローブを纏った女が夜のSランク魔層である死森帯デスフォレストを歩く。

ここ死森帯にはアンデット系やヘル系の魔物が多く生息しており,触れただけで死に至る毒を持つような魔物も普通にいる。

そして魔物が活発に活動するのは夜だ。

いつも通りならばそれなりに強い魔物とも出会うはずだがその魔物達は彼女が歩いてきた道の片隅に乱雑に投げ捨てられている。

無数に転がるSランク魔獣たちの死骸。

それに群がる弱い魔獣たち。

彼女の歩いてきた道は,死神が通った後のように,『死』というもので溢れかえっている。

その光景だけでも彼女が実力者であることが分かった。


『麗目隆…。』


そして彼女が麗目隆に対して何かしらの執着心を持っていることも分かった。



しばらく歩くと彼女が歩みを止めた。

目の前に聳え立つのは大きな岩の壁。

普通の人間なら素通りするはずの壁だ。

だが彼女はその壁に向かって呪文を唱える。


「レイモクリュウ」


彼女がそう呟くと,彼女の前にあった岩が動き中へと続く通路が出てくる。

岩を動かす魔法。

一見何の変哲のない魔法に見えるが,これは『上位魔法』と呼ばれる難易度の高い魔法だ。

彼女はその穴の中へと足を進める。

薄暗い一本道の通路。

外壁などは土魔法で固められている。

これは自然生成されたものである。

それはここがダンジョンであるということを意味している。

そしてここがダンジョンであることはオルデルの構成員以外誰も知らない。


彼女は不敵な笑みを浮かべる。



通路を抜けた先には,先ほどまでの狭い通路が嘘だと思うくらいに広い部屋があった。

広さは200畳といったところか。

中には円卓が置かれており,椅子は13個ある。

それぞれの椅子には0から12の番号が書かれている。

そのうちの12個には既に人が座っていた。

全員黒いローブで身を隠しており,どのような表情を浮かべているのかは見ることができない。

ローブの背には金色のオルデルのマークが刺繍されている。

彼らはオルデルの最高幹部達だ。

そして空いてる席には『0』と書かれている。

その椅子は北側に置かれていて,他の椅子よりも少し豪華である。

白いローブの彼女は『0』の椅子に座った。

彼女の名は『スピーディア・サンズ』。

円卓の騎士の『0番』にして最強の『ゼロ』。

彼女こそが治安維持組織『オルデル』のリーダーである。


「それでは開宴いたしましょう。」


彼女はそう言ってローブのフードを取る。


それはここにはいるはずのない人物…。


『     』だった。



 はいはーい。

絶賛初配信中の麗目隆くんでーす!

今ね!

初配信なのに何故かゲームやってまーす!

なんでゲームやってるのかって?

なんでだろ!(知らんふり)

はい…。

原因は俺じゃないです…。

原因はね?


キアラ「だれか〜!木の棒持ってな〜い?」


カラメ「あ,私持ってますよ。今からキアラちゃんのところに行きますね!」


キアラ「カラメありがと〜!じゃあ私は丸石あげるね〜!」


2期生のせいですね。

はい。

簡単にいうと…。


ウラ「2期生に配信中に凸られました。」


コメント

【ドンマイ】

【ドンマイ】

【restart公式/ドンマイ】

【なんかもう公式が出てくるまでがデフォルトになってて笑うw】


今はあの有名なゲームである「ブロッククラフト」を4プレイしています。


コメント

【初配信に2期生が凸ってきたVtuberとか見たことないわw】

【見たくもないわw】

【初見です。え,これ初配信ですよね?】

【初見さん…(泣)】

【しょうがない,初見でこれは脳が真っ白になるw】


ウラ「え,この状況って俺のせいじゃないよね?」


コメント

【うん,それはそう。】

【ウラ…。】

【お疲れ様w】

【restart公式/頑張れ!】

【公式w】


ウラ「てかrestartってこんなにカオスだったっけ?俺が見た時にはまだ大丈夫だったはずなんだけど?」


コメント

【あー。(察)】

【せい…そ?何それw】

【半分カラメのせいやなw】

【もう半分は公式のせいだな。】

【何でグループをカオスな方向に持っていくのに公式が関わってるんだよw】

【まぁ,どこかの誰かさんが切り忘れたからねw】


「もうおしまいダァ‥。(泣)」


俺が頭を抱えていたところで天使からの囁きが耳に入る。


レナ「あ,ウラさん。私今から鉄を掘りにいこうと思うんっスけど一緒に行きませんか?」


「お,いいぞー。もう,レナまじ天使…。」


レナ「こ,心の声ダダ漏れっス///」


コメント

【ウラ…。】

【ウラ…。】

【ウラ…。】

【ウラ…。】

【ウラ…。】


「いやその哀れみのコメント結構効くからね!?」


リスナーたちのコメントが俺に刺さってく…。

そこにカオス組の更なる奇襲が襲いかかる。


キアラ「ウラとレナ〜!今から装備なしでヴァーデンと戦わない!?絶対楽しいよ〜!」


レナ&ウラ「「は?」」


カラメ「私もやってみたいです!」


レナ&ウラ「「は?」」


ウラ「遠慮しておきます。」


レナ「どこの戦闘民族っスか!あとカラメちゃんは乗らなくて大丈夫っス。」


コメント

【なんかもう…。うん。見てるこっちも胃が痛いんだけど…。】

【レナちゃんマジ天使はわかりみ深い。俺もレナちゃんに癒されたいです。】

【何を一天王?】

【悲報。カラメちゃんは清楚に見せかけたゴリゴリの戦闘民族だった。】

【カラメゴリラってこと!?】

【シーッ!カラメちゃんが見たら握り潰されちゃうよ!】

【ゴリラやんけw】


何やらコメ欄に不穏な空気が漂っているが気にしない気にしない。


キアラ「ん?なんかミオ先輩から電話きた。ちょっとミュートにするね〜!」


レナ「ウラさん本当に申し訳ないっス。自由人すぎる…。」


ウラ「全然大丈夫だぞ。むしろ賑やかな方が俺は好きだしな!でもこれ初配信…。ニギヤカスギテイガイタイ」


コメント

【おいw】

【おいw】

【隠せてないよーw】

【ちょっと運営に一年分の胃薬送っとくわw】

【やっぱりレナちゃん天使】

【なんか他の2人が暴走列車にしか見えないw】

【ん?あれ?カラメちゃんは?】

【さっきまでいたよね?】


ウラ「ん?レナ,カラメがどこにおるか知らない?」


レナ「え,知らないっスよ?」


レナ&ウラ「「あ(察)」」


コメント

【あ…(察)】

【ヴァーデンw】

【まじで行ったの!?w】


レナ&ウラ「「もしかして…」」


キアラ「ただいま3人とも〜!今から1期生と3期生も混ざって合同ライブするらいしいぞ〜!」


カラメ「みなさん!装備なしでヴァーデン勝てましたよ!」


…。


「ダメだこりゃ…。」


また今度ストック用の胃薬買いに行こ…。


────


うひゃぁ…。

どうも,作者のぞーすいです。

第十二話,オルデルがついに姿を現しましたね。

流石にまだスピーディア・サンズの正体が分かる人はいませんよね?

いやぁ,裏でそんなことが起こってるとも知らずにウラ君は呑気…ではないですね〜。

とりあえず,がんばえ〜。(励)


もし面白ければ⭐︎や♡,コメントよろしくお願いします。

また,話が進む中で分からない点などがあれば,気軽にコメント,または近況ノートの質問箱の方にコメントしていただいて構いません。

これからも頑張りますので応援よろしくお願いします。

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