7 社畜の鏡 彼は見事にフラグを成立させていきます(改稿済)
『前回の振り返り』
あひゃひゃ〜。三期生は良き良き!以上!
それでは本編どうぞ。
────
『社畜の鏡 彼は見事にフラグを成立させていきます』
はい,麗目隆です。
ただいま出会って1時間も経たない女性4人とダンジョンに向かっております。
なんかもう,メンタルが鍛え上げられてきてるかも。
今なら目の前に蜂が飛んできても全然動揺しない自信があるわ。
嘘ついた。
蜂嫌いです。
というか虫全般嫌いですね。
「ついたぁー。」
今回俺たちが来たのはCランク認定されている『鮫の沼地』と言うダンジョンだ。
ここでは名前の通り,魚型の魔物が多く生息している。
その中でも『ハーク』や『テノシャコ』は出会うと色々とめんどくさいとのことだ。
先ほど彼女らにランクを聞いたのだが,キララと栞がA+,シロクロ姉妹がAらしい。
『restart』の中では中間層らしく,強い人になるとS+ランクやSランクもいるらしい。
本当にVtuber事務所なのかな?
そして彼女らの呼び方が下の名前になっているのは…。
まぁ気にしないでほしい。
キララが下の名前で呼べと言って聞かなかったからである。
おまけに敬語もなしだ。
うん。
仲が良いのは良いことだからね。
でもライバーとマネージャーって関係はちょっと気になるけどね!
「いいですか。これから配信する上での注意事項を言います。」
そう言って千早は注意事項を話していく。
大まかな内容は,
・マネージャーは映さない。
・危険だと思ったらすぐに逃げる。
・マネージャーからは離れない。
の3つだった。
『うん。意外としっかりしてるね。』
俺が「こう言うところはちゃんとしてるんだな。」と言うと彼女は苦笑いをしながら「うちのバカ社長がおかしいだけですよ。」と返してきた。
なんかごめんなさい‥。
それうちの社長にも刺さるんだよな…。
そんなこんなでダンジョンに入ることになったのだが,入る直前に千早から「頼みますから問題は起こさないでください。」と言われたのは言うまでもないだろう。
ちょっと悲しい。(泣)
まぁ流石に今回はやらかさないけどね!
◇
ダンジョン内は比較的穏やかで,少し湿度が高いように思えた。
しばらく歩いていると早速敵のお出ましだ。
『コロス』
ん?
なんかこいつ喋ってね?
「お!早速一体目だね!」
「これはB-ランクの『サマンタ』ですね。水魔法に警戒していきましょう。」
「なら私が先に!」
そう言ってキララが武器である双剣を振る。
サマンタは水魔法を自身の下に向けて打つことで上昇し,攻撃を避ける。
そこに栞が斧で攻撃を仕掛けるがサマンタはそれをギリギリのところで避ける。
なかなかに手強い。
今度はサマンタが攻撃を仕掛ける。
「皆さん!『ウォーターバースト』です!」
みんなが防御体制に入る。
サマンタを中心として水が全方位に噴射される。
威力は…。
岩に穴が開くくらいだ。
普通にすごいと思う。
魔法を出し終わるとサマンタは攻撃後のクールタイムに入る。
「もらった。」
それを読んでいたクロの短剣によって斬られる。
『すげ。』
すごい連携が取れている。
バランスも良く,キララが前衛の『ソード』,栞が前衛の『パラディン』,クロは後衛の『ナイト』でシロが『ヒーラー』だ。
この組み合わせならパーティを組んでもやっていけるくらいだろう。
それからもキララたちは配信で,出てきた魔物の倒し方を教えながら戦ったり,雑談などをしながらボス層を目指していく。
今の所,さっき言った『ハーク』や『テノシャコ』は出てきていない。
ちなみに俺はカメラで彼女らを追う役だ。
そして20階層に入ったところで見事に俺のフラグが成立する。
『シャコシャコ!』
「わー。出てきちゃったかぁ。」
「めんどくさいですね。」
はい。
『テノシャコ』が出てきました。
テノシャコはその高い攻撃力と攻撃スピード,そして俊敏力からB+ランクに認定されている魔物だ。
戦闘スタイルは主に『移動スピード低下』のデバフと近接戦闘の組み合わせだ。
それが探索者達にとってはだいぶ厄介らしい。
だが驚くことに彼女達は見事な連携でテノシャコをも圧倒していく。
「はいはい!みんな!ボルテージ上げてくよー!」
キララのその掛け声でみんなのスピードがさらに上がる。
彼女達は何の問題もなく倒してしまった。
うん。
強いね。(現実逃避)
◇
そのまま俺たちはめんどくさい魔物と会うこともなく,ボス層にたどり着くことができた。
途中,シロクロ姉妹が言った「魔力量がちょっと多い気がする。」には少しだけ警戒していたが何も起こらなそうで安心した。
いやぁ。
こんなに早く来れるとは思ってなかったですね。
コメント欄でも【めっちゃ早いね】というコメントがちょくちょく出ているし。
「さて!栞ちゃん!シロちゃん!クロちゃん!準備はいいかい!?」
キララが3人に問いかけると,3人もそれに応じたように頷く。
扉を開けようとしたとき,俺の社員用のスマホに千早から電話がかかってきた。
何事でしょう。
緊急の電話かな?
基本的に緊急時以外は配信中に連絡しないことになっているんですよね。
俺が何かあったのかと慌てて通話ボタンを押すと…
「みなさん!今すぐそこから逃げてください!」
と千早さんが何やら焦った感じで言う。
まずい…。
そう感じたときにはもう遅かった。
キララが扉を開けると,中にいたのはこのダンジョンのボスであるBランク魔獣よりも一回り大きい人型の何かがいた。
「え…?」
そう言ったのは誰だろうか。
気づいたときには俺の体はもう動いていた。
「早野さん!今すぐここに来てください!それまでは僕1人で耐えます!キララさんたちも!下がって!」
カメラを投げ捨て,通話口に向かって叫ぶ。
腰が抜けたのかシロがボス部屋の中にまだいた。
俺はすぐさま駆け出しソレの攻撃を殴って跳ね返す。
流石に手が痛いが気にしない。
ソレが呆気に取られている隙にシロを部屋の外へ出し,再びソレと対面する。
「麗目さん!そいつはBランクどころの魔獣じゃありません!Sランク魔獣の『ハカ』です!」
「なんてこったい。初仕事がSランク魔獣かよい。俺こいつのこと知らんのんだよい。」
「Sランク魔獣を目の前に現実逃避をしないでください。」
あ,はい。
すいません。
でもしょうがないよね?
軽く現実逃避しているとハカが攻撃を仕掛けてくる。
ただの蹴りだ。
はい。
ただの蹴りなんです。
だけどね?
斬撃が出てるんですよー。(な)
俺はソレを通勤で鍛えられた脚力で避ける。
「まじか。なんで蹴っただけで斬撃が出るんだよ。」
ハカが蹴った場所には大きなクレーターができており,足の進行方向には斬撃の痕が残っている。
え。
あれに当たったら確実に死んでたよね!?
本格的にまずいと思いながらハカと戯れること5分。
千早が後ろから声をかけてくる。
「麗目さん!到着しました!すぐに4人を連れて逃げてください!ここは私が相手します!」
そう言って漆黒の刀を鞘から取り出す千早。
素直にここは慣れている人に任せよう。
だって俺が戦ってもどうせ死ぬだけだもんね!
そう思った俺は4人を抱えてダンジョンを全速力で出口に向けて駆けた。
『千早!死ぬなよ!』
────
どうも作者のぞーすいです。
さて,第七話にて一気に不穏な空気が漂い始めましたね。(他人事)
私としてはシロクロ姉妹を怖がらせたヤツを消したいところなのですが,そうするとこの作品自体が,麗目君がただ空気を殴るだけの馬鹿みたい(これはこれでありか?)なお話になってしまいますので我慢!です。
でも流石に傷つけたりでもしたら許しません。
作者がこの物語に突っ込んで,傷つけたやつ(泣かせたやつも含む)を物語の外に引っ張り出して【自主規制】してやります。
もし面白ければ⭐︎や♡,コメントよろしくお願いします。
また,話が進む中で分からない点などがあれば,気軽にコメント,または近況ノートの質問箱の方にコメントしていただいて構いません。
これからも頑張りますので応援よろしくお願いします。
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