あの花はもう咲かない

櫻井

第1話 あの花

花はいつか枯れる、人はいつかこの世からいなくなる、僕はあの花と君の事を忘れない。 君と出会ったのは三年前の夏、知人の紹介で夏祭りに行った、女性経験がすくない僕からしたらダブルデートだとしても、初めての経験でとても緊張したことは覚えている、夏祭りの帰り道そっけない態度をとる僕に君から「また次会えませんか?」と聞いてきてくれた、僕はどんな態度をとったのかまでは覚えていないがきっとぶっきらぼうに返事をしたのだと思う、その頃僕にはほかに付き合ってる人がいた。

加藤真奈美という女性で高校からの付き合いだったが、彼女とは二週間連絡が取れていなかった、僕が仕事から帰ると君の荷物と君は部屋にいなく、テーブルに一枚の手紙が置いてあった。

【あなたの事が嫌いになったわけではないですが、家から出ていきます】と短いメッセージだった、僕は慌てて君の携帯に電話を掛けるが電話は繋がらない、君の実家に電話をかけてみたが、君の行方はしらないと言われた、僕は途方に暮れた。

初めて付き合った女性で本気で君の事が好きだった。何がきっかけで君が出て行ったのか僕には予想は付かなかった、一年後に結婚の約束をしていた、一年後というのは付き合って五年になるので節目に結婚をしようという話になり、色々な予定を立てていた、僕は途方にくれた。二週間仕事も休み、誰からの連絡も拒否をした、真奈美からの連絡をひたすら待っていた、それをみかねた友達が夏祭りに誘ってくれたのだがそんなこと僕からしたら、どうでもよかった。真奈美に会いあたかった。

深夜になると真奈美の事を思い出す、去年の今頃どこへ行ったとか鮮明に思い出す、僕は夜が来てほしくなかった。昼間は君と買った花に水をやり家から出たくないが自宅で仕事をしていたので気がまぎれた、夜は何もすることがない、ただ心が寂しくなるだけだった、今君は何をしているのかしか僕は考えられなかった。新しく好きな人が出来て出て行ったなら僕は納得するかもしれない、それなら幸せになってほしい、何かに事件に巻き込まれてたりしたりと考えると僕は居てもたってもいあれれなかった。

一か月後、真奈美の父親から電話が来た。お母さんとは何度も話したことはあったがお父さんのと話すのはほんの数回だった、僕はお父さんに嫌われていると思った。

「先日、真奈美がどこに行ったがわからないと言ったとうちの者が言ったと思うが真奈美は一週間前に亡くなったんだ」とお父さんは悲しそうな声で言った。

その言葉に嘘は感じなかった、亡くなった原因は僕には難しい病名だったが難病指定されている病気で真奈美は生まれてこの方そぼ病気と闘ってたという、僕はそんなことを知らなかったし、真奈美もそんな様子を見せることはなかった。

僕は悔しかった、真奈美が亡くなったことよりも、僕がそれに気づいていなかった事実に僕はひたすら泣いた、もう会うことができない彼女、僕はどうしたらいいかわかならくなった。でも僕は生きていくことしかできない、彼女の分まで、ベランダに置いてある毎日水を上げていた花も枯れていた。僕は悲しくてもう一度涙をしたが僕は固く強く生きると心に決めた。

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あの花はもう咲かない 櫻井 @usamimi0923

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