私と彼女の3年間
蓮明景音
高校1年生
彼女と私
高校1年の夏休み、中学時代の数少ない友達である彼女と遊ぼうと連絡した。
彼女は了承してくれたがお互い予定があわず遊ぶのは夏休みが終わって一週間した日になった。私はその日を楽しみにして残り少ない夏休みを楽しんでいた。
お互いにSNSをフォローしているのでお互いの夏休みの過ごし方を眺めていた。そんなある日彼女のSNSに一通のDMが送られてきた。それは「明日会わない?」という簡単なものだった。
私は「はて?明日あいているなんて言っていたか?」と思いながら
も、「いいよ」と返事した。
そして翌日私は指定された駅前に自転車を走らせた。そこにはすでに彼女がおり、
「ごめーん。まった?」
と言うと、彼女は不満そうに私を見て、
「5分遅刻だよー」と言って私の腕をつねった。そして私たちは電車にのって都会の街中を歩きだした。
彼女にどこに行きたいか聞いたが特にないらしく「とりあえず歩こう」ということになった。だが珍しく彼女は何も話さないので私が一方的に話すことになったが、彼女はただ相槌をうつだけだった。
私は違和感を感じたが、久しぶりの友達との再会に心が弾み違和感の正体に気づくことはなかった。
駅前の通りを歩いていると偶然ゲームセンターが目についたので彼女をゲーセンに誘うと「いいよ」と答えた。だが彼女の口調は淡々としていて違和感があったが、私は「まぁ久しぶりだからしかたないか」と思い深くは考えなかった。
私たちがゲーセンに入ると彼女はクレーンゲームの前で立ち止まり、「これかわいい!」と言って中の景品を指さした。それは大きな熊のぬいぐるみだった。
それに相槌をうちながら彼女に「やる?」と聞いてみた。すると彼女は「うん!」と元気よく答えた。
そして100円を入れ、クレーンゲームを始めた。
「こうかな?」と言いながらアームを動かしていく。だがアームは景品にうまく引っかからず、ぬいぐるみをつかめなかった。
彼女は不満そうに「全然取れない!」と怒りながらも100円を入れなおした。
そして何回目かのチャレンジでようやくぬいぐるみをつかむことができた。
「やったー!」と喜ぶ彼女を見て私は「よかったね」と言い、彼女も嬉しそうにしていた。そして私たちはそのぬいぐるみを持ってゲーセンを出た。
その後私たちは服を見たり、カラオケに行ったりして遊んだ。
そして夕方になり、「そろそろ帰ろうか」と私が言うと、彼女も「そうだね」と言い私たちは駅に向かって歩きだした。
最寄り駅に着き、改札を通って解散しようとしたとき彼女が突然立ち止まった。そして私の方を向いて言った。
「ねぇ、私たちって友達だよね?」
そう言った彼女の顔はいつになく心配そうだった。
私は一瞬何を言われたのかわからなかったがすぐに「もちろん!」と答えた。すると彼女は嬉しそうにして、
「そっか、よかった!」とへにゃりと笑って言った。そう言って手を降って帰ろうとする彼女に私はとっさに彼女になにか言わなければいけないような気がして家に帰り始めた彼女にいそいで言った。
「今日遊んだけど夏休み終わってから遊ぶの有効だから!」
そう言ったら彼女はびっくりしたように振り返りだけど意味を理解して笑った。
「もちろん!」
そう言って彼女はまた手を振り家へ歩き出した。
私も彼女に手を振りかえし、家への道を自転車でこぎ出した。
だけど夏休み終了1週間前彼女はSNSに「みんなだいすきだったかも」と投稿して失踪した。
これは彼女と私の思い出話である。
私と彼女の3年間 蓮明景音 @keine_hasua
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