事故星女（ハッピーエンド編）

第1話 事故星

　事故星とは、生まれつき事故に遭いやすい星のことを言います。

　昔から中国にある占いの四柱推命でも、ごくまれにしかないこの星の下に生れると、事故に遭いやすい運命を持ってしまうと言われています。

　そういった事故星を持った人でも大きな事故に遭うと事故星が落ちて、その後は平穏な暮らしができます。

　しかしながら、ごくまれに、死ぬまで事故星が落ちない人もいます。

　そんな事故星を持った人の傍（そば）にいれば、必ず事故を目撃できると言われています。

　しかし場合によっては、事故に巻き込まれることもあります。

　私、川畑 撮夫（とるお）は新聞社の報道カメラマンで、主に事故現場に飛び込む仕事をしています。

　私は、地震の報道も担当していますが、大きな地震があったら自衛隊よりも空き巣などの泥棒が先に現場に入ると言われています。

　私は、その泥棒よりも先に現場に行かないと、上司（デスク）に叱られます。

　なお、私の実家は写真館で、私はカメラを握って母親のお腹から出てきたみたいな生まれついてのカメラマンです。

　最近私は、私が撮影した事故現場の写真の片隅に、小さく写り込んでいる若い女性がいることに気づきました。

　それはどうも、同じ女性のようです。