本当にあったやばい話

海野源

自称サイコパスだった時の話

 いつだったか。サイコパスという単語を知ったのか。

みんな一度はあるだろう。東京グールの金木に憧れたこととか。


始まりはコロナ禍。中学受験まで後一年。僕は呑気にパソコンを見ていた。

僕は塾に通わず、独学で中学受験の勉強をしていた。一日十数時間勉強をしていたのもあり、頭がおかしくなっていたのもあるだろう。

僕は現実逃避のネットサーフィンの中で暗殺者という存在に出会ってしまった。その存在は影に潜んでいて普段は実力を隠しており、なんか謎に強い。僕はそんな存在に憧れてしまった。


それからは勉強の合間に自分が暗殺者である妄想をしたり、カミソリの刃を舐めてみたり……色々とおかしかったと思う。


それから中学に上がるまで、僕は暗殺者という存在に憧れ続けた。そして中学に上がってから、僕は自称サイコパスになった。

グロい画像いいねぇとか言ってみたり、血がいいとか言ってみたり、バッドエンドが大好きとか言ってみたり……

ああ!恥ずかしい!


そのまま自称サイコパスの早口クソ陰キャをやり始めてから数ヶ月後、僕は友人から指摘を受けた。「サイコパスキャラやめた方がいい」と。

この友人には今も感謝しており、恩人として尊敬もしている。彼とは今でも親友だ。

僕は帰ってから彼の言葉についてよく考え、一年半の自分の行動について振り返ってみた。

それから、僕は結論を出した。

自称サイコパス、やめよう!

僕はその次の日から自称サイコパスをやめた。



今では中学一年生からの友達や、最も仲がいい友達との間で、僕の自称サイコパスは身内ネタとして扱われている。本当にあの頃の友達には感謝しかない。



次回、修学旅行前日に告って振られた話。

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