秋桜
@Kurenai011
第1話 宇宙によりも未知な「海」そこで起こった僕たちの物語
序章
海の95%は未知の領域と言われている。もしかしたら今でも見つかっていない『不思議』なことがたくさん起こっているかもしれない...
僕の名前は「紅涙 小町」でもこれは僕が親につけてもらった名前ではなく、僕の命の恩人につけてもらった名前だ。もしあの人が居なかったら今頃僕はどうしていたんだろう。そして今僕たちは船を借りて海に出た。そしてしばらくしてふと横を見ると蜃気楼が見えていた。
「あれ?なんか蜃気楼が見えるような気がするけど気のせいかな?この辺に島は無いはずなのに?」
周りを見渡してみても島は無いし、そもそもこの地図に島は載っていないはず。地図側の問題でもなさそうだしなぜこんなところにぽつんと島が浮いでいるのだろうか?スマホの方の地図で調べても現在の位置に島なんで全くない。謎が謎を呼ぶので僕は恩人と一緒にその島を見ることにした。正直好奇心が抑えられず、どうしても見たいという気持ちが溢れるからだ。
「試しに行ってみない?私こういう不思議な体験好きだからワクワクするよ」
それは恩人も同じことを考えていたらしい。島を上陸して森の辺りを近づいてみるとカラフルな幕が何気なく置かれていた。僕たちはそれをめくってみると目の前に広がった光景に少し驚いた。能に出てくる橋があり、僕は茫然とした。左右には桜と椛が置いてある。しかしその先は霧になっていて全く見えていない。この先は一体どうなっているのか気になり歩き出すための最初の一歩を橋の上に置いたと同時にさっきまで誰もいなかった橋の上に仮面を被った女性みたいな人が何気なく、そして優雅に立っていた。そして話しかけられた。
「ようこそ夢幻之里へ 今ならあなたたちを大歓迎から安心してリラックスしててね あお菓子でも用意しちゃおうかな~」
と言ってきたので僕たちはきょとんしながらその人のところまで足を運んだ。
「それよりも先に自己紹介すればよかったかな?私は姿忌 弥桜(しき みざくら)というものよ?以後お見知りおきを じゃあさっそくこの橋を早く渡り切って頂戴」
不思議そうにしながら橋を渡り切り、霧がだんだん晴れてきて光が差してきた。すると寺がはっきりと見えてきた。そして二人の影も見えたので僕たちはその二人を訪ねてみた。
「あの...ここ寺ですよね? 二人は何をしているんですか?見た目が僧っぽくないんだけど」
「?...あぁ あたいはこの寺の僧をやっている年 飛鳥だよ~よろしくね~そしてこっちの方は」
「こっちの方ってなんだよ...俺の名前は孫 師海っていうんだ 個々の用心棒をしているんだ よろしくな それに後ろにいる女性は誰?」
「あぁ、紹介するよ この人は僕の恩人だ。名前は...」
「私が言うから大丈夫だよ 私の名前は春瀬 静夏(はるせ しずか)って言うんだよ よろしくね!」
「こちらこそよろしくな!」
それにしても驚いた...まさか病み系ファッションを着ている人が僧だなんで...すごい型破りな僧だ。そしてこっちの方は見た目そのものは女性みたいなのに男らしい話し方をしていて割と困惑をした。僕たちが生きていた時間とはガラッと変わっている。それは置いておいてどこに行けばいいのかわからないのでとりあえず僧に聞いてみようと思い話しかけた瞬間、さっきの用心棒と言われる師海が割り込んできた。
「それならこの俺に任せろ! 俺が案内してやるから付いてこいよ!?」
「え?心の中で思ったことをどうやって理解できたの?怖ッ!」
「孫は心を読むことが出来る能力を姿忌に授かってもらったんだよ~マジでヤパいっしょ」
「それで人間不信とかになったりしないの?」
「あ~それについては孫が明るすぎて全く気にしていない」
「へ...へぇ それはとっても強いですね ところで僕たちはどこに行けばいいのですか?」
「う~ん...確かこの寺を抜けた先に町があるからそこに行けばいいけど場所分からないと思うから師海と一緒に連れて行けばいいよ」
「しょうがないなぁ~俺に付いて行けよ?万が一はぐれていても助けてやんねーぞ」
ケチくさいなぁと思いながらしっかりと付いて行くとこにした。正直はぐれると大変なことになりそうだからと体で分かったからだ。早速準備をし師海のそばに居ながら道案内をすることにした。寺を出て深い森林の中を進みながら僕たちは会話をしていた。すると静夏さんが興味深そうに師海の事を質問している。
「ねぇねぇ師海さんっていつからここにいるの?もし答えにくい質問ならしなくてもいいけど私気になってて...」
「寺は...いつの間にか住み着いていた それに俺は元々人形だって姿忌に言われていてそれで...」
「え?それってどういうことなの?私たちにもう少し詳しく話して欲しいけど大丈夫?」
「全然大丈夫だぜ!えーと確か詳しい話をすると確か元の人形はお前たちがさっき来た海に捨てられていたんだ。それを姿忌が拾って孫悟空の魂の一部をその人形に入れられたんだ ただたまたま女性型の人形だったから最初は違和感あったけど今は何ともないぜ!」
(なんだか僕たち不思議な世界に来てしまったなぁ...この世界で一体どんな事をするんだろう?)
「多分もうすぐで町が見える...はずだから安心してて 大丈夫だから」
なんか妙に落ち着きながら本当に場所があっているのか正直不安になっている。...これ本当に合っているよね?と思いながら進んでいくと目の前に広がる景色に思わず息を呑んだ。
その町並みはまるで明治時代にタイムスリップしてきたかのような華やかでレトロな町に僕たちは驚いた。
「ここが人と神霊が共存する町、『シティ・コールズ』って言うんだ と言っても俺はあまり興味がないから来る回数は他の人よりもちょっと少ないけど案内できるだけは言っているんだぜ?」
僕たちが町に着く瞬間、空から何か降ってきた。雨というには硬いし雹というには氷のような冷たさは全くない。適当にその辺のものを見るとそこにあるのは赤い飴玉だ。なぜこんなものが空から降ってくるのか分からないが、この現象がファフロツキーズということなのが分かるだけで後は全然分からない。師海に聞いてみてもいや俺専門外だしって顔をしているだけだった。すると後ろから突然カラフルな幕と共に姿忌が現れた。
「あれ?姿忌がいつの間にかいるよ?私全く気付かなかったよ!?なんでなの」
すると姿忌がこう言った。
「このカラフルな幕はありとあらゆる場所に移動できる優れものなのです。でも制限があってこの島内にしか移動できないのです 不便でしょ?」
僕は十分に便利だなぁ...と思い姿忌が結構我儘なタイプなのかとか考えていたら静夏さんが
「ところで空からこの飴?みたいなのが降っているのはどういう現象なの?これもこの土地特有のものなの?教えて欲しいなぁ 少なくても師海は全く知らないって顔をしているからよくわからなくて...」
僕が疑問に思っていることを静夏お姉ちゃんが答えてくれた。その際師海がむすっとした顔をしていたが姿忌はそれを無視して答えた。
「あれは神の中に残った幼い心が実体化して悪戯をしているのです それを解くにはしばらく待つかあるいは覚悟を持った人間が説教をしに行くかのどちらかなのです!」
「...それって今まで何人説教できる人が居たんだ?もしかして僕たちが行くってわけじゃないよね?」
「うーん...この長い歴史の中でせいぜい5~6人ぐらい?でも今現役で引退しちゃってね他の人を探していたんだ。逆に解決できそうかな?って思ってて」
なんだか物騒だなぁと思いながらとりあえず町の方へ行くことにした。その際に見せた師海の表情が少し驚いていたような気がしていたけど僕たちは全く気にせずにここを抜けた。
「ところで俺はもう寺に戻っていい?」
「あら奇遇なのです 私も一回寺に戻ろうと思ったから一緒に連れで行くのです」
「サンキュー!俺助かるよ はやく行こうぜ!所でさっきのことなんだけど...」
序章 終了
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