第7話 中華民国海軍って何ですか?

井上成美

「砲撃を開始せよ。」


戦艦の参謀室にて

「砲撃を開始せよ。」(スピーカーから聞こえる声)


艦長

「撃てぇ。」


・・・ドーン・・・ドーン・・・ドーン

四隻の戦艦と重巡洋艦三隻が撃った砲弾は、一斉にほぼ壊滅状態の中華民国海軍に容赦なく降り注いだ。


井上成美

「なんか、ちょっとやりすぎな気がするぞ。」


参謀

「何をおっしゃいますか、戦争に慈悲は必要ありません。」


井上成美

「・・・そんなものか。」


着弾観測機(航空機)にて

操縦士

「おお〜、続々と飛んできとるわ。味方ながら恐ろしいわい。」


観測士

「まあ、最初に撃った砲弾ですからあたりはしませんでしょう。」


ドーーーーーン、ガッシャーン、バーン(爆発する音)


操縦士

「いや、あたっとるがな。」


観測士

「マジですか?最初で当たるなんてなかなか無いですよ。」


操縦士

「いや、あたってるぞ。」


観測士

「じゃあ、当たったって、無電打っときますよ。」


観測士から艦隊参謀本部まで

「砲弾は敵艦に命中せり、なお、敵艦は沈没せり、沈没した敵艦は軽巡一隻、駆逐艦二隻。敵は撤退を始めている。」


井上成美

「よし、攻撃は成功した。これ以上敵を追う事はしない。これにて海南島沖海戦の勝利を宣言する。」


万歳、万歳、万歳。


中華民国海軍司令長官

「もう、撤退するしか無い。我々は敗北を喫した。」


海軍省にて

山本五十六

「海南島沖海戦に勝利したようだ、こちらの損害は無し。

中華民国海軍の損害は、軽巡洋艦三隻撃沈、駆逐艦六隻撃沈、一隻中破、砲艦七隻撃沈、一隻小破、の大勝利である。」


南雲忠一

「そうですか、ちなみに魚雷は使用したのですか?」


山本五十六

「いや、今回は使用していない。航空機と砲撃だけだ。特に航空機の活躍で敵艦隊は壊滅状態に陥ったからな。」


南雲忠一

「そうですか。魚雷の威力が見たかったです。」


山本五十六

「まあ、焦るな。そのうち使う時が来る。」


永野修身

「大勝利か、マスコミにはどう説明する?」


嶋田繁太郎

「まさか戦果を増やすというのか?」


山本五十六

「いやいや、そんな事はしませんよ。しかし航空機の戦果は隠蔽したいと思います。理由はバレると外国が真似するので。」


永野修身

「わかった、あと伝えないといけないことが。」


山本五十六

「なんですか?」


永野修身

「なんとたまたま近くにいた艦隊が残存艦隊を発見した。」


山本五十六

「マジですか?」


永野修身

「ああ、ホントだ。こちらの艦隊の戦力は重巡洋艦一隻・軽巡洋艦三隻・駆逐艦七隻。更に潜水艦五隻が先に回り込んでいる。指揮官は草鹿龍之介少将だ。」


山本五十六

「じゃあ、鹵獲を目指しますか?」


永野修身

「ああ、そうするつもりだ。」


山本五十六

「というか、私がマスコミに戦果を報告してきます。」



会見場にて

記者A

「戦果はどのような感じですか?」


山本五十六

「戦果は軽巡洋艦三隻撃沈、駆逐艦六隻撃沈、一隻中破、砲艦七隻撃沈、一隻小破、の大勝利である。砲撃による攻撃により敵艦隊はほぼ壊滅状態にあり。」


記者B

「では残存艦隊はどうなっているのですか?」


山本五十六

「現在、別の艦隊と潜水艦が追撃の準備をしております。」


記者A

「では最後に一言。」


山本五十六

「中華民国海軍ってなんですか?」


オォ〜、パチパチパチ



山本五十六

「とりあえず山場は越えたか。」



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