第2話:なんでも出てきます(悪夢の製造機だ。)

 私は佐藤春奈さとうはるな。16歳の高校生だ。

 さっきから、道ばたで会った女の子に付きまとわれている。


「はるなさん、はるなさん」


 私が思うに、このは、きっとストーカーだ。ただの、ストーカーだ。

 女子高校生に付きまとっていきなりゴキ◯リ突きつけてくるなんて、絶対──!


「こおろぎ」

「ギャァァァァアアアアアアびばぼばびぶおあああああ!!!!」

「カシャ」

「撮るなぁぁぁ!!」

「わぁ」

「あんたさっきから! 何なの!? 分かったあなた変態ストーカーね。だってそうじゃなきゃゴキ◯リの次にコオロギなんて持ってないわ!』

「ん? ……じゃぁ次は、ぶーん」

「はっはっは! 三度も同じ罠にハマると思った? 私にはこのカバンで目を隠すという秘技が……、が……」


『なに? あの女子高生~』

『小さい子に向かっていきなりカバンで目を隠す芸を……』

『まさか、変態じゃな~い?』

『え~、こわ~い』


「すとーかー」

「お前が言うなァ!」

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