第12話~結婚式~
数日が過ぎた。あれから師匠にはバンバン武器の使い方を仕込まれた。
週に3日とは言わず、ほとんど毎日通った。
そして、父さんと美代さんの結婚式の日になった。
父さんは白いタキシードを着て、美代さんはウエディングドレスを着ていた。
そして俺が父さんの横にいるように…美代さんの横に、同い年くらいの…俺より身長が高い女の子がいた。
「…ねぇ父さんあの女の子誰?」
「あぁ。桐流には言ってなかったか。あの子は美代の連れ子の飛鳥(あすか)だよ」
「あ…そう」
連れ子…そんなのきいてない。しかも父さんが呼び捨て?いつの間に仲良くなったんだ?
…あ…
「父さん!その飛鳥さんって何歳!?」
「…たしか今年中学校に入学したって言ってたな…」
「ありがと」
……俺のほうが年上…よかった…
その時ドアをたたく音が聞こえ
牧師さんが入ってきた
「そろそろ、いいでしょうか」
そして式が始まった。
「新郎、あなたは妻に永遠の愛を誓いますか?」
「はい」
父さんはしっかりうなずいた
「新婦、あなたは夫に永遠の愛を誓いますか?」
「はい」
美代さんは、もう裏切らない、裏切られない、という顔をしていた。
もう…この人を母さんと認めるしかないのかな
そしてあの女の子、飛鳥さんを兄弟と認めるしかないのかな。
……決められたことだしね…仕方ない。
もう、この人たちは家族なんだ。
俺なりに精一杯愛して、死ぬまで寄り添おう。
結婚式が終わった後尊に電話した。
「尊~。俺あの人たちのこと家族って認めることにした」
「ふ~ん。…え?たち?」
「そうそう。美代さんね連れ子いた」
「えっまじ?」
「まじだよ~。そして身長負けた」
「そりゃね~。歳は?」
「俺のほうが1個上。中学1年生だって」
「へ~。」
「詳しくは明日学校で話すよ。じゃ」
「了解~」
そういって電話を切った後父さんがこっちに向かてきて、
「桐流。4人で今からご飯食べに行こう。」
もう割り切っていた俺は笑顔で
「わかった」
とうなずいた
ご飯は近くのファミレスで食べることになった。
「じゃあ桐流くんはあったことないだろうから、自己紹介からしようかな。私は新しく神野くんの妻になる、黒瀬美代です」
「わ、私はお母さんの娘の、神楽(かぐら)じゃなくて……黒瀬飛鳥(くろせあすか)です」
2人が言い終わった後父さんが僕を見てきた。
「……俺は黒瀬桐流です。家族としてこれからよろしく。」
絶対に暗殺者であることは言えなかった。誰にも話してないし、これから話そうとも思わないから
そんな自己紹介をしている間に、料理が届いた。そして、父さんの一言で乾杯をした。
「これから、よろしく!!」
わちゃわちゃわいわい、やっぱり家族って大事なんだな、と思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます