プロローグ

はじまり

第1話

始まりは、2年前のある日の夜。



中学生だった私は塾が終わり、家に帰る途中だった。



公園の前を通り過ぎようとしたら、人影が視界に入った。




「ん……?」



普段の私なら不気味に感じて、足早に帰るが、今日は何故かその公園を覗いていた。



ブランコと木で作られたベンチしかない小さな公園。



そのベンチに人が横たわっている。





え、やばくない?




なんて思った私は救急車を呼んだ方がいいのか迷った。


携帯を片手にゆっくり近づく。






「……!」



そこにいたのは男の人で、喧嘩をしたのかあちこち怪我をしていた。



見た目はそこまでヒドくなさそうだが、口の端が切れてて、血が出ている。とても痛そうだ。

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