第3話 (小説版)

 冒険者ショウはこっそり勇者についていった。やっぱり防具が邪魔そうだ。

「あのー」

 冒険者(ショウ)は呼びかける。

「はーい、なんだい?」

 勇者がふりかえる。

「それ……」

 勇者は帽子を取った。「あ、これ? 楽しいよね」

(変人おる!)

 冒険者はギルドを去った。勇者は、つぶやく。

「ギルドに住んではや三十年。今は度胸のテストの係りをしています。 ――もっとも、そのせいで合格者こそ減ったものの……」

 困惑した顔を笑顔に戻し、勇者は歩き始めた。はるか遠く、ふざけるな、という声があがる。

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