人生を壊す!SNSの脅威

星咲 紗和(ほしざき さわ)

第1話 SNSの登場とその急速な普及

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、ここ数十年で急速に発展し、今や日常生活に欠かせない存在となっています。FacebookやTwitter(現在のX)、Instagram、TikTokなど、様々なSNSが登場し、それぞれが異なる魅力と機能を持ちながら多くの人々に利用されています。これらのSNSがどのように普及していったのかを振り返ると、その背景には人々が「つながり」を求める心理があったことが見えてきます。


かつて、地理的な距離や時間の制約によって制限されていた人間関係は、SNSの登場によって劇的に変わりました。SNSは、距離や時間に関係なく誰とでも簡単に繋がることができるという点で画期的でした。遠くに住む友人や家族とのコミュニケーションが気軽にでき、日常の出来事をリアルタイムで共有することが可能になりました。また、新しい知識や興味を共有するコミュニティに参加することで、自分の趣味や関心に合った「仲間」を見つけることも容易です。このような利便性から、SNSは人々にとって「必要不可欠なツール」としての地位を確立していきました。


しかし、この「気軽さ」がもたらすものはポジティブな影響だけではありません。SNSが普及するにつれて、その陰に隠れた問題が浮き彫りになってきました。例えば、他者の成功や幸せを目にすることで自分と比較し、自己肯定感が低下することが多く報告されています。また、気軽に意見を発信できるため、匿名での誹謗中傷や嫌がらせも容易に行われ、これが社会問題として取り上げられるようになりました。


SNSの成長がもたらした「つながり」は、逆に人間関係に深い傷を残すこともあるのです。現実の社会における礼儀や節度が希薄になり、誰でも自由に発言できる環境は、悪意の巣窟としての一面を持つようになりました。さらに、SNSがもたらす心理的影響や依存症のリスクも無視できません。ちょっとした「いいね」や「フォロワー」の数が自分の価値を決めるかのように感じることもあり、自己評価がSNSに依存してしまう人も少なくありません。


SNSの普及が急速であるがゆえに、私たちはその恩恵を享受する一方で、その危険性を見落としがちです。SNSの「つながり」が、いつしか自分自身を縛り付ける鎖に変わる可能性があることを理解しなければなりません。このエッセイシリーズでは、SNSの危険性について多角的に掘り下げ、SNSとどのように向き合っていくべきかを考えていきたいと思います。


次回は、SNSが引き起こす犯罪の実態と、その背景について詳しく見ていきます。SNSを安全に利用するためには、まず私たちがその危険性を認識し、慎重に向き合うことが重要です。

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