第28話

「今まで仲良い子居たからノルマきつくても頑張れたんですけど、みんな新店舗とかに移籍しちゃったりして」


「ふーん。それで?」


「うちってイーストの中でもわりと昔からあるキャバクラだから、太い客ってもう誰かの指名客だったりして売り上げ伸ばせなくて、結果新入りはノルマ達成が難しいっていう悪循環なんです」



成る程ね。確かにフリーの客掴むなら新オープンの店行った方が賢いと思う。



「じゃあ冴島も移籍すれば良いじゃん」



モグモグとサンドイッチを頬張る冴島は、ブンブンと首を横に振る。



「店長がダメだって。人が足りないから困るって。…あたし友達いなくていつも店で暇なんです。だから一ノ瀬さん、体験入店来てみませんか?」


「あーダメダメ。あたしニコニコするのとか嫌いだし」


「うちの店、一応イースト1の高級店!ってうたってるので体入の子は時給4000円貰えますよ?一晩で2万は稼げますよ!?」


「嫌だっての」



女の世界とか面倒くさそうだしな。

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