第14話

「如何せんお前は口がわりぃ」


「糞。糞。糞。いくらでも言ってやるよ。これがあたしだ。おっさんおかわり」



煙草を人差し指と中指に挟んだ手で焼酎を飲み干したロックグラスを亭主に渡す。



「そんなお前の連絡先が知りたいって言ってたぞ、ソイツら」


「うぜー。めんどくせー」



うんともすんとも言わないで黒霧島を持って来て、空のグラスを持って戻っていくおっさん。



…本当、硬派だなこのおっさん。



あの港湾が出来る前はあの海でバリバリの漁師だったとか。



「だからイーストの日サロにいない時は店の向かいのパチ屋でスロットやってるって教えといた」



「はぁ?余計な事すんなよ…」



祐輔は悪魔のようにイヒヒと笑ってる。コイツは子供の頃からあたしが困って苛ついてる所を見るのを楽しむ所がある。

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