第12話
レオ君が立ち上がると俺たちはそれぞれの持ち場につく。
初めてレオ君の歌を聞いた時、奇跡だと思った。
汚くて暗いあの街のライブハウスで、1人だけ閃光を浴びたように眩しかった。
そして歌い出すレオ君。こんな狭い部室でだって。照明も何もない小さな部屋でだって、レオ君は……発光する。
俺はレオ君の才能に心酔していた。
ーーー3人だよーーー
学校の前の満開の桜並木で、俺はそう言った。
レオ君の物だから青山が輝いてみえるのだろうか。
それとも、レオ君が青山という存在を手に入れた事で、その心酔に拍車をかけたのか。
奪いたい訳じゃない。伝えたい訳でも無い。
行き場の無い想いを嘆いたりもしない。
………だけど………
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