プロローグ
in the Water
第1話
俺には影が二つある。
ある日を境に俺には"影"がまとわり付くようになった。
そうなるべくしてなったのか。
はたまたこと故無かったのか……。
…いや、俺自身が齎した事だったのだろう。
そう思うようになってから運命という言葉に翻弄され、都合が悪くなると神に許しを乞ってみたりして。
授けられた二つの"影"の如く…俺はぼんやりとただこの世に在るだけの存在だった。
そんな人生の中で…ふ、と我にかえる瞬間に俺は考える。
この世で一番美しく尊い物は何だろう。
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