第10話
「藍樺。全部声に出てるからな?」
「え゛っ…うっそぉ…」
風斗の言葉に驚きが隠せない。
だけど知ってるんだ、風斗は私の考えていることをいとも簡単に見抜いてしまう。
だから風斗には隠し事ができない…
「嘘じゃねぇからな?」
「あ、え、うん…」
み、認めざるを得なかった…
拍子抜けしちゃう風斗の鋭さには感心する。
「藍樺。もう変装解いたらどうだ?」
「いいの?元々は風が言い出したことなのに二日も早く解いちゃって。」
元々私の変装は風斗の提案で素性がバレないようにとしていた物だった。
二日後にはどうせ全校生徒に私の素性が知れ渡る予定ではあったからいいんだけど…
「あぁ。もういいんだ。(変な虫が付かないようにしてたが、イジメの方が酷いしな…)」
「そっかぁ。んじゃ今、解く。」
風斗には他にも意図があったみたいだけど…
ウイッグとメガネを外すと生まれつき茶金の腰くらいまである長い髪に銀のメッシュ。
紗亜耶とは正反対の大きく切れ長な眼が現れる。
元々色素が薄いのもあり、赤い目をしている。
スカートを膝下15cmから膝上15cmにしてワイシャツのボタンを二つあける。
妹、紗亜耶と双子とは思えない差。
紗亜耶はまんまるぱっちり二重で可愛らしい系統。
一方藍樺は二重ではあるけれど切れ長で綺麗な系統。
そっくりなのに良く見ると全然似ていない双子。
2人の美貌は誰もが見入るほど。
「やっぱこうじゃないとな。」
「しっくりこないもんな。」
「藍ちゃん美人さんっ!」
「藍樺美人さんやんなぁ〜」
風斗が私の素の姿を見て頷いたのを皮切りに次々と反応を見せてきた。
その中には先程までなかった声までも…
「ありがとう…って叶汰と恭多いつ帰ってきてたの?」
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