第11話

梨花は映画のヒロイン役を射止めた。

2500名の中からシンデレラガールに選ばれたのである。

東京と鎌倉を行き来して、撮影と学校の両立をする事になった。

「梨花ちゃん凄いよ!いきなり映画のヒロインだもんなー」

「もうスーパースターよね」

教室でもクラスメイトに囲まれて梨花は鼻高々である。

「もうびっくりしちゃった。まさか私がヒロイン?って」

波音はすっかり舞い上がっている梨花を見ていた。

「波音はさ、やっぱ見る目あるよ。こうなると読んでたのか?」

「驚いているよ」

波音は短く答えた。


「波音、デートの時間も少なくなるけど、私の事嫌いにならないでね」

梨花は縋るように波音を見る。

「大丈夫だよ。だから、梨花は思い切り頑張って」

「うん」

梨花は波音に寄り添っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る