第11話

3日後のライブが終わった。

舞台袖から廊下を歩いて行くと、誰もいなかった。

やっぱり揶揄われたんだ……

悠乃は俯いた。

控室にトボトボと戻って行く背中に声がかけられた。

「三島さん」

振り向いてみると、上野篤哉が立っていた。

「ちょっと外へ出ようか」

「待って下さい。相方に言って来ますので」

篤哉は頷いた。

悠乃は控室に入った。

「いよいよね。悠乃。しっかり」

聖奈がポンと背中を叩いた。

「先に帰ってるから。今夜は帰らなくてもいいよ」

聖奈の言葉を聞いて、悠乃は耳の端まで真っ赤になった。

悠乃は胸の高鳴りを抑えながら、篤哉の元へ戻ったのである。

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