第6話

悠乃はバイトを終えると、近くのコンビニに行った。

聖奈のバイトが終わるのを待って、一緒に帰ろうと思ったのである。

雑誌コーナーを見ると、上野篤哉の顔がある。

悠乃はその雑誌を手に取った。

相当のイケメンだ。

でも雑誌の表紙ではクールなイメージだが、先程話している時は優しげな感じだった。

じゃあ、頑張って……

篤哉の言葉がリフレインして来る。

「お待たせー」

聖奈がやって来て、悠乃の肩を叩く。

「その雑誌買うの?」

「ううん」

悠乃は棚に戻した。

そして2人でコンビニを出た。

その時の悠乃にはそれが恋の始まりだという事さえ気付いていなかったのである。

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