嘘から始まる恋(後編)

水島あおい

第5章 本心

第1話

桜が咲き誇り春爛漫の頃、逢沢心は2年生に進級した。

今度は幼なじみの白河真尋と、バスケ部の友人の三原千賀が同じクラスになった。

2年A組である。


心には婚約者がいる。

長谷部想という。

心の両親がとても想を気に入り、婚約させた後、想は心の家に下宿していた。

想には両親がいない。

小学6年の秋に両親と妹を一辺に交通事故で亡くしていた。

引き取られた遠縁の親戚は想に冷たく当たり、想には居場所がなかった。

心と婚約して初めて、想は温もりを感じていたのである。

所が光陽学園の関係者が、想のバスケの腕を見込み、行く行くはプロでお金を稼げるという理由で、叔父達が勝手に編入させたのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る