第9話

「そんなに上手く行ったの?良かったね、

萌!」

電話の向こうの萌の声は喜びに弾んでいた。

『あのワンピのお陰。凄く褒めてくれたの』

「萌の想いが通じたんだよ」

『うん!ねこカフェの事、ココが教えてくれたんだよね』

「好きなもの訊かれたからね」

『ありがとう。ココ、最高のデートだった』

「良かったねー」

『じゃあ、また明日学校でねー』

電話は切れた。

良かった。

良かった。

そう思っていた心は不意に自分の頰が濡れている事に気が付いた。

私、何で泣いてるの?

萌の恋が上手く行っているのに……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る