世界で一番優しい音楽

水島あおい

プロローグ

第1話

みどりメルヘンランドには白雪姫になれるアトラクションがある。諏訪笑里は両親に連れて来て貰って白雪姫になった。可愛いドレスに身を包み、小人役の男の子や魔女が出て来てかなりリアルである。

りんごを齧って倒れると王子様がやって来る。

笑里は目を開けて王子様を見た。

とても可愛い男の子だ。

笑里は真っ赤になった。

そして王子様は言う。

「僕と一緒にお城で暮らしましょう」

「はい…… 」

笑里はモジモジしながら言った。

そして王子様と記念撮影をして終わりだ。


「ねえ、ママ。笑里、もう一回白雪姫やりた

い」

「そんなに気に入ったの?」

母親は笑いながら言った。

「お願い。パパ」

笑里はジッと父親を見る。

父親はスマホでメルヘンランドの情報を見た。

「笑里、白雪姫は人気があって次は2ヶ月先になるよ」

「えーっ!」

笑里は大声を上げた。

「仕方ないじゃないの。2ヶ月後にまた来よ

う」

母親がそう言って笑里を宥めた。


笑里は車の後部座席で貰った写真を見ていた。

王子様は8歳ぐらいの可愛い男の子だ。

その顔を見ただけで笑里はドキドキしていた。

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