第20話

「藍ちゃん、可愛いんだけど!」

愛奈は感嘆の声を上げた。

「それで?彼女とは上手く行きそうなの?」

「藍に言ったらそんなんじゃない。同じ事務所の人だからってあいつ言ってたけど、大ありだろう!」

翔真は笑いながら言った。

「どんな人なの?」

「夏目麻紀っていう女優」

「知らないなあー」

愛奈が首を傾げる。

「チョイ役で出てるみたいだよ」

「ふーん」

翌日は珍しく2人とも揃って学校に行く事が出来たので、2人は屋上で話をしていた。

「それで?連絡先の交換ぐらいしたの?」

「それがあいつ番号さえ交わせなかったんだ」

翔真の話を聞いて、愛奈は笑い出した。

「藍ちゃん、可愛い!」

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