第8話

都内のファンシーショップに制服姿の高校生が2人で来ていた。

矢崎翔真と碓氷愛奈である。

既に辺りには人集りが出来ている。

この2人は既に公認の仲だ。

両方の事務所も認めている。

「私ね、ブレスレットが欲しいの」

「どんなのがいいんだ?」

愛奈はズラリと並んだ金や銀のブレスレットの中から選び始めた。

「あの、ペアブレスってどれですか?」

「なんか愛奈がペアブレスとか言ってるよ!」

「えーそれはやめてー!」

ギャラリーがざわつき始めた。

「こちらがそうなります」

「俺も?」

翔真が口を開いた。

「当たり前でしょ」

愛奈はさも当然のように言った。

横に流れたポニーテールを後ろへ流す。

2人が選んだのはハートのモチーフが付いた皮のペアブレスだ。

彼女は白で彼は黒になっている。

学校にして行ってもおかしくないデザインだ。

2人はそれを買うと、表に停めてある藍崎の車に乗り込んだ。

そして車は走り出した。

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